映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

幸せの教室

2012年05月17日 | 映画(さ行)
学問のススメ



                   * * * * * * * * * 

トム・ハンクスとジュリア・ロバーツの共演、
ということで、やはり見てしまいますね。


大型スーパー、ベテラン従業員のラリー・クラウン(トム・ハンクス)は、
とても仕事熱心で、やりがいを持って勤務していたのですが、
突然のリストラで、あっさり解雇されてしまいます。
その理由というのが、大学卒でないから。


そこでラリーは、心機一転、再就職に役立てようと、地元の短期大学(コミュニティ・カレッジ)に入学。
経済学とスピーチのクラスを取ります。
そのスピーチの授業を受け持つのが、美人教師のメルセデス・テイノー(ジュリア・ロバーツ)。
しかし彼女は、教えることの情熱を失い、結婚生活も破綻寸前、
人生に行き詰っているのです。


レストランで働きつつ勉学に励み、若い友人たちと付き合い、
失業中でも活き活きしているラリーに感化され、
次第に生きる意欲を取り戻していくメルセデス。
なんと言いましょうか、特別にすごいというほどではないけれど、
さすがベテランの布陣、安心して楽しめるハートフル・コメディです。



この作品、コメディタッチとはいえ、なかなかいいことを言っています。
つまり、勉学とは本来楽しいもの。
知識を得る喜びがそこにあります。
ラリーは学んだ経済学で、ローンの返済ができない家の処置を判断することができるのです。
楽しいばかりではなくて、ちゃんと実用的でもあるのです。

大学に入るのは、勉学するためであって、学歴を得る手段ではない。
当たり前のことですが、なかなか当たり前にはなっていないですよね・・・。
そしてまた、今作でも現実でも、
学歴は真に厳しいリストラの前では、なんの歯止めにもなりません!!
ラリーの若き友人が、あっさり学校をやめた時も、
だからラリーは強く引き止めたりはしないのです。
勉学よりももっとやりたいことがあるなら、それもよし、なんです。



私はラリーの最後の“スピーチ”では泣けてしまいました。
なんてハートフルな・・・。
でも、一つ疑問が。
ラリーはどうして前妻と別れることになってしまったのでしょう?
そう簡単に結婚生活を破綻させない人のように思えますけれど・・・。
ま、いいか。
男と女の間には、いろいろあるということで・・・(^_^;)


「幸せの教室」
2011年/アメリカ/99分
監督:トム・ハンクス
脚本:トム・ハンクス、ニア・バルダロス

出演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、ブライアン・クランストン、セドリック・ジ・エンターテイナー、タラジ・P・ヘンソン