古典部、30年前の出来事を探る
* * * * * * * * *
米澤穂信のデビュー作にして、
その後も続く<古典部>シリーズの第一作でもあります。
なぜか家に「遠まわりする雛」だけ一冊ありまして、
これはやはりシリーズ1作目から読むべきでは?と思い、そのままになっていました。
それで、やっとこの度第一作を読んだという次第。
あらら、TVアニメ開始ということで、アニメのイラスト表紙になっちゃっていますね。
こういうのは、オバサンは買いにくいので、やめて欲しいのですが・・・
* * * * * * * * *
何事にも積極的に関わろうとしない"省エネ"少年折木奉太郎は、
姉の言いつけで心ならずも古典部に入ってしまいました。
そんな中で、古典部の仲間の身の回りに生じた不思議な謎を次々と解き明かしていきます。
いつの間にか密室となった教室。
毎週必ず借り出される本。
小さな謎をときあかしつつ、ストーリーはこの古典部文集「氷菓」の大きな謎へと突き進んでいきます。
この構成がなんともうまく、心にくいと思いました。
ホータローのちょっと冷めた感じも、米澤穂信の持ち味そのもの。
デビュー作にしてすでに、作品のスタイルや技術が完成されているとは、
やはりタダモノじゃないですね。
古典部の文集「氷菓」第1号は30数年前に発行されています。
しかしなぜかその第1号が見つからないのです。
その第1号には、伝説的英雄とされる古典部の関谷先輩のことが書かれているはずなのですが。
30年前といえば、学園紛争華やかなりし頃・・・。
そうした世相が絡んでくるのも、面白いです。
無論現代の高校生の彼らが、そんな当時の世相など実感として知るわけもなし。
(という件では、自分の年を感じてしまいましたが)。
なるほど、ジェネレーションギャップも、小説のネタになりうるということか。
でも今作中、名探偵役ホータローは、さすがにすぐにそれには気が付きます。
関谷先輩は、真に英雄だったのか。
それとも・・・。
その答えははじめから「氷菓」という題名に隠されていたのでした。
なんとも心憎い。
ネタバラシはやめておきますが、
氷菓、すなわち、アイスクリームです。
というわけで、なかなかの満足感のこの本。
引き続き、このシリーズを読むことにしましょう。
「氷菓」米澤穂信 角川文庫
満足度★★★★☆
![]() | 氷菓 (角川文庫) |
米澤 穂信 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
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米澤穂信のデビュー作にして、
その後も続く<古典部>シリーズの第一作でもあります。
なぜか家に「遠まわりする雛」だけ一冊ありまして、
これはやはりシリーズ1作目から読むべきでは?と思い、そのままになっていました。
それで、やっとこの度第一作を読んだという次第。
あらら、TVアニメ開始ということで、アニメのイラスト表紙になっちゃっていますね。
こういうのは、オバサンは買いにくいので、やめて欲しいのですが・・・
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何事にも積極的に関わろうとしない"省エネ"少年折木奉太郎は、
姉の言いつけで心ならずも古典部に入ってしまいました。
そんな中で、古典部の仲間の身の回りに生じた不思議な謎を次々と解き明かしていきます。
いつの間にか密室となった教室。
毎週必ず借り出される本。
小さな謎をときあかしつつ、ストーリーはこの古典部文集「氷菓」の大きな謎へと突き進んでいきます。
この構成がなんともうまく、心にくいと思いました。
ホータローのちょっと冷めた感じも、米澤穂信の持ち味そのもの。
デビュー作にしてすでに、作品のスタイルや技術が完成されているとは、
やはりタダモノじゃないですね。
古典部の文集「氷菓」第1号は30数年前に発行されています。
しかしなぜかその第1号が見つからないのです。
その第1号には、伝説的英雄とされる古典部の関谷先輩のことが書かれているはずなのですが。
30年前といえば、学園紛争華やかなりし頃・・・。
そうした世相が絡んでくるのも、面白いです。
無論現代の高校生の彼らが、そんな当時の世相など実感として知るわけもなし。
(という件では、自分の年を感じてしまいましたが)。
なるほど、ジェネレーションギャップも、小説のネタになりうるということか。
でも今作中、名探偵役ホータローは、さすがにすぐにそれには気が付きます。
関谷先輩は、真に英雄だったのか。
それとも・・・。
その答えははじめから「氷菓」という題名に隠されていたのでした。
なんとも心憎い。
ネタバラシはやめておきますが、
氷菓、すなわち、アイスクリームです。
というわけで、なかなかの満足感のこの本。
引き続き、このシリーズを読むことにしましょう。
「氷菓」米澤穂信 角川文庫
満足度★★★★☆