映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

テイカーズ

2012年05月15日 | 映画(た行)
最後に笑うのはどっち?



                 * * * * * * * * * 

数々の銀行強盗を成功させ、セレブに暮らす5人組テイカーズ。
手始めに紹介される鮮やかなその手口に、引きこまれてしまいます。
なんとTV取材のヘリコプターをジャックして逃走。
もちろん初めからそれも計算済みです。
チームワークの良い頭脳プレー。
なんともスタイリッシュです。



さてそんなところに現れたのが、かつて仲間だった通称“ゴースト”。
彼は刑務所を出たばかりで、彼らに大きな仕事を持ってきたのです。
その仕事に乗ることになって、準備を進める彼らですが、何か不穏な雰囲気が・・・。
ストーリーは彼らの犯罪計画を軸に進んでいきますが、
一方、警察側も、なかなか鋭い。
ベテラン刑事ウェールズの捜査状況と、テイカーズの動きが交互に描かれます。
仕事熱心なウェールズ刑事は、ついオフの日に娘を車に載せたまま、
犯行グループの車を尾行したりしてしまうのです。
いつの間にか、刑事側にも感情移入してしまい、
さて、最後に勝ち残るのはどちらなのか、予想が付き難くなってきます。


それにしても彼らの犯行の手口の大胆さ、
絶体絶命のピンチからの切り返し方のなんとみごとなこと。
そのスピーディな展開に、ハラハラ・ドキドキ。
最後には三つ巴になっていくこととあわせて、
警察側の意外な事情も露呈。
ストーリーも非常によくできています。



この手の作品で最もスリリングなのはカーチェイス。
でも今作はカーチェイスはなくて、
ひたすら男が走って逃げるシーンがあります。
これが、走って逃げるだけなのに、すごい迫力でドキドキさせられました。
逃げる方もすごいけど、追い詰める方もすごい。
なかなか付いて行き難いと思うのですけれど・・・。


ありがちなクライムサスペンスから、一歩抜きん出ている。
非常に楽しめる作品でした。

テイカーズ [DVD]
マット・ディロン,ポール・ウォーカー,チップ“TI”ハリス,ヘイデン・クリステンセン
Happinet(SB)(D)


「テイカーズ」
2010年/アメリカ/107分
監督:ジョン・ラッセンホップ
出演:マット・ディロン、ポール・ウォーカー、ヘイデン・クリステンセン、イドリス・エルバ、ジェイ・ヘルナンデス