映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

依頼人

2012年09月28日 | 映画(あ行)
否応なく大人びなければならない少年

           * * * * * * * * * 

11歳の少年、マーク・スウェイ。
頭が良くて、やんちゃ。
隠れてタバコを吸ったりもする生意気な少年です。
ある日、弟リッキーと共に森へ遊びに行き、
一人の男が自殺しようとするところに出くわします。
車の排気筒にホースを繋ぎ、車内に導入。
マークは、排気筒からホースを外し、自殺を阻止しようとしますが、
男に見つかってしまいます。
逆切れした男はマークに自殺の道連れを強要すると共に、
自分が自殺する理由
-マフィアが上院議員の死体を埋めた場所を知ってしまったこと-
を告げます。
マークはやっとのことで逃げ出すことができましたが、男は結局拳銃自殺。
さて、しかしマークは大変危険な秘密を知ってしまったのです。
マフィアはマークの口止めのため、殺し屋を放ちます。
マークは非常に危険な秘密を知ってしまったことを自覚しています。
さっそくFBIがマークに証言を迫るのですが、
うかつなことを言っては危険だと知るマークは、弁護士を依頼。
真実を語るべきか否か。
またマークに襲いかかる危機を切り抜けられるのか。
少年を主人公とした二重のサスペンスを楽しませてもらいました。


今作は、ブラッド・レンフロに興味があって見ました。
彼にとってのデビュー作ですが、ちょっぴり拗ねた感じの美少年。
魅力あります。
ちょっぴり斜め上目線で大人をからかうような表情。
いいなあ~。
おまけに、他の出演陣もいい。
連邦検察官には、トミー・リー・ジョーンズ。
彼は自分の州知事選の功績のために上院議員の行方を躍起になって探しており、
マークに無理矢理にでも証言をさせようとします。
マークの弁護士役となるのがスーザン・サランドン。
彼女はたまたま飛び込んできたマーク少年の弁護をたったの1ドルで引き受けます。
彼女は離婚した夫に子どもを奪われ、
自暴自棄でアル中になっていた時期がありました。
そんな訳もあって、孤立無援のマークに肩入れしたくなってしまったのですね。


マークの家庭は母子家庭でトレーラーハウスに住むかなりギリギリの生活。
弟リッキーはこの事件で精神的障害を負ってしまい、
付き添いのため仕事を休んだ母はすぐにクビ。
自分が何とかせねばと焦るマーク。
こうした背景もなかなかうまくできています。
否応なく大人びなければならい少年という設定が、
ますます美少年を引き立てるのですよね・・・。

というわけで、思わぬ拾い物をしたという感じの一作でした。

依頼人 [DVD]
ジョン・グリシャム,アーノン・ミルチャン,スティーブン・ルーサー
ワーナー・ホーム・ビデオ


1994年/アメリカ
監督:ジョエル・シュマッカー
原作:ジョン・グリシャム
出演:スーザン・サランドン、トミー・リー・ジョーンズ、ブラッド・レンフロ、アンソニー・ラパグリア