映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

インターステラー

2014年11月27日 | 映画(あ行)
時空を超えた愛



* * * * * * * * * *

本作、3DではないけれどぜひともIMAXシアターで見ようと思っていたのです。
そこで張り切って劇場へ出かけたところ、
「本日機械の故障で、IMAXでの上映はすべて中止になりました」・・・と。
え~。聞いてないよ~(そりゃそうだろうけど)。
その後、通常版で一番近い上映が45分後にあるけれど
日本語吹き替え版ということで、この場は諦めました。
でもこの日、すっかり「インターステラーを観るぞ!」モードになっていたため、
気持ちが収まりません。
調べてみると、他の劇場でもやっていて、次の上映に何とか間に合いそう・・・、
ということで、エッサエッサと歩いて
(地下鉄を乗り継いだり、街なかをタクシーに乗ったりするより、
歩いたほうが早くてお金がかからない!と、思ったもので)
移動して、無事視聴。
あ~、疲れた。
しかしこの日、おかげで徒歩1万歩を達成出来ました(!) 

おもいっきり余談でした(^_^;)



さて本作、地球環境の変化で世界的飢饉となり、
人類の滅亡が迫っているという近未来が舞台です。
人類を存続させるため、人間が生存可能な星を
別の宇宙で探そうとするプロジェクトがあり、
元エンジニアのクーパー(マシュー・マコノヒー)が、メンバーの一人として選ばれます。
彼には老いた父親と2人の子供がいるのですが、
この家族を救うため、そして人類を救うために、
還る事ができるかどうかもわからない宇宙へ旅立つ・・・。


これは時空を超えた愛の物語。
アインシュタインの相対性理論や4次元、5次元
・・・と言われても理解不能ではありますが、
でも全然問題ありません。
そこはフィーリングで十分です。
時と人の物語をじっくり愉しめばよいのです。


私はもともとタイム・パラドックス的な話が好きなので、
この時空を超える不思議な感覚にもワクワクします。
ある星では一時間が地球時間の7年に当たるという・・・。
そこで彼らは驚くべき数時間を過ごすのですが、
母船に戻ってみると、なんと23年が経過していたというのです!! 
若かった同僚が瞬時に年をとっている・・・。
それはまた地球に残してきた家族たちも同様です。
地球を発つときに怒って見送りにも出てこなかった娘が、
科学者となり、彼らの旅を見守っていた・・・。
宇宙の旅というのは、こうした時間的リスクを伴うので、
そこがまた興味深いですね。
ラストがまたいいんですよ。
もしかしたら、また別の星でBプランが実行されるのかもしれない。



はじめ、娘マーフの部屋で起こる幽霊のようなポルターガイストのような出来事。
実はそれが大変重要なのです。
この展開が素晴らしい。
これらすべてを司るのは果たして“彼ら”なのか。
ラストでクーパーが語ることのほうが真実にも思えます。
ワクワクするSFで、そして深い人と人(ロボットも含む!)との絆の物語でした。
ここに登場するロボットは、人の姿をしていないのですが、
こういうのもありですよね。
時には嘘もつくし、ユーモアも。
その度合を初期設定できるというのもいいなあ。
確かにそこに感情はなくて、それがあると思うのは
こちらの錯覚なのかもしれないけれど。
でも私はすっかり感情移入してしまいました。


それから、驚きの大もの特別出演にも注目。
お楽しみに!!


ただ物足りなかったのは、地球の窮状を訴える切実なシーンがない。
砂嵐が起こるだけで・・・。
実は食料不足で、もっと惨憺たる状況があるはずではなかろうか・・・。
まあ、それをいうための作品ではないにしても。


それにしても、機械のメンテナンスをよろしくお願いしますね、ユナイテッド・シネマ様。

「インターステラー」
2014年/アメリカ/169分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケイン

壮大さ★★★★☆
満足度★★★★★