美味しいものに国境はない
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* * * * * * * * * *
南フランスの山あいの小さな町。
老舗フレンチレストランを経営するマダム・マロリー(ヘレン・ミレン)。
ミシュランの星1つをずっと維持しています。
それだけでも大変な努力ですが、彼女にはそれなりのプライドもあります。
さて、その店のちょうど真向かいに、
怪しげなインド人一家が越してきて、インド料理の店を開くという。
騒々しいし、店もけばけばしい。
自分の店の品位まで下がるようで、マダム・マロリーはオカンムリ。
あろうことか、相手の店の初日メニューの食材を買い占めてしまうなど
嫌がらせまでしてしまう。
・・・と、これがマダム・マロリー側の視点。
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ところが本作は、実はこのインド人一家の次男・ハッサンの視点で描かれています。
家族で開いていたムンバイのレストランが火災で消失。
その時に一家を支えていた母親を亡くしています。
一家はロンドンに移り住んだのですが、
あまりいい食材と巡りあえず、ヨーロッパに渡る。
各地を転々として、南仏のこの地を通りがかった時に、
運命に導かれるように、ポンコツ車がついに故障。
「フランスでは誰もインド料理なんか食べない」という皆の静止を振り切って、
父親がここで店を開くと言い張る。
なかなか劇的な展開であります。
双方には双方の事情というものがある。
しばらく、この2店は敵対状況が続くのですが・・・。
ハッサンは、天才的な料理のセンスを持っています。
だから無論インド料理はお手の物ですが、
フランス料理にも興味が出てきます。
マダム・マロリーが彼の天才的な料理の腕を知ることから、
双方の歩み寄りが始まるのです。
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片や高級フレンチの店。
そしてもう片やリーズナブルなインド料理。
悪くないですよね。
人は時と場合でそれを使い分けるのだし、
美味しいものに国境なんかない。
…映像的にも、双方あまりにも美味しそうで、これを空腹で見ると辛いです!
ハッサンはマダムの店のまだ駆け出しの料理人・マルグリットと親しくなるのですが、
ハッサンが腕を上げ店の中心となっていくことで
その関係が微妙になっていく。
簡単に「おめでとう!」とはならないところが、なんだかリアル。
それこそが、マルグリットのプライドでもあります。
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料理は食べる人との距離も大切なんだなあ・・・と思います。
地元で取れた新鮮な野菜で、親しい人達に囲まれて、
その人達を喜ばせたいと思いながら料理をする。
そしてお母さんから受け継いだ「魔法のスパイス」さえあれば、
美味しくないわけがない!!
ラッセ・ハルストレム監督らしく、“家族”の大切さを描く一作。
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ハッサンの作るスパイシーなオムレツ、どんなふうなのか。
食べてみたいなあ・・・。
なんと本作は制作にスティーブン・スピルバーグも加わっています!
「マダム・マロリーと魔法のスパイス」
2014年/アメリカ/122分
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ヘレン・ミレン、オム・プリ、マニッシュ・ダヤル、シャルロット・ルボン、ミシェル・ブラン
食欲をそそる度★★★★★
満足度★★★★☆
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南フランスの山あいの小さな町。
老舗フレンチレストランを経営するマダム・マロリー(ヘレン・ミレン)。
ミシュランの星1つをずっと維持しています。
それだけでも大変な努力ですが、彼女にはそれなりのプライドもあります。
さて、その店のちょうど真向かいに、
怪しげなインド人一家が越してきて、インド料理の店を開くという。
騒々しいし、店もけばけばしい。
自分の店の品位まで下がるようで、マダム・マロリーはオカンムリ。
あろうことか、相手の店の初日メニューの食材を買い占めてしまうなど
嫌がらせまでしてしまう。
・・・と、これがマダム・マロリー側の視点。
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ところが本作は、実はこのインド人一家の次男・ハッサンの視点で描かれています。
家族で開いていたムンバイのレストランが火災で消失。
その時に一家を支えていた母親を亡くしています。
一家はロンドンに移り住んだのですが、
あまりいい食材と巡りあえず、ヨーロッパに渡る。
各地を転々として、南仏のこの地を通りがかった時に、
運命に導かれるように、ポンコツ車がついに故障。
「フランスでは誰もインド料理なんか食べない」という皆の静止を振り切って、
父親がここで店を開くと言い張る。
なかなか劇的な展開であります。
双方には双方の事情というものがある。
しばらく、この2店は敵対状況が続くのですが・・・。
ハッサンは、天才的な料理のセンスを持っています。
だから無論インド料理はお手の物ですが、
フランス料理にも興味が出てきます。
マダム・マロリーが彼の天才的な料理の腕を知ることから、
双方の歩み寄りが始まるのです。
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片や高級フレンチの店。
そしてもう片やリーズナブルなインド料理。
悪くないですよね。
人は時と場合でそれを使い分けるのだし、
美味しいものに国境なんかない。
…映像的にも、双方あまりにも美味しそうで、これを空腹で見ると辛いです!
ハッサンはマダムの店のまだ駆け出しの料理人・マルグリットと親しくなるのですが、
ハッサンが腕を上げ店の中心となっていくことで
その関係が微妙になっていく。
簡単に「おめでとう!」とはならないところが、なんだかリアル。
それこそが、マルグリットのプライドでもあります。
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料理は食べる人との距離も大切なんだなあ・・・と思います。
地元で取れた新鮮な野菜で、親しい人達に囲まれて、
その人達を喜ばせたいと思いながら料理をする。
そしてお母さんから受け継いだ「魔法のスパイス」さえあれば、
美味しくないわけがない!!
ラッセ・ハルストレム監督らしく、“家族”の大切さを描く一作。
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ハッサンの作るスパイシーなオムレツ、どんなふうなのか。
食べてみたいなあ・・・。
なんと本作は制作にスティーブン・スピルバーグも加わっています!
「マダム・マロリーと魔法のスパイス」
2014年/アメリカ/122分
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ヘレン・ミレン、オム・プリ、マニッシュ・ダヤル、シャルロット・ルボン、ミシェル・ブラン
食欲をそそる度★★★★★
満足度★★★★☆