テレビでは報道されない世界のこと
* * * * * * * * * *
アフガニスタン、朝鮮半島、中米カリブ海、アフリカ、
ヨーロッパ、米国、アイヌ、沖縄――
世界の紛争地や戦争の傷跡が残る地を旅し、
人々との出会いから戦争と平和のリアリズムを見直す。
普通のガイドブックにはない国や地域を
歩いてガイドします!
メディアを通じて、常に世界中の絶え間ない戦争が
伝わってくるが、実は戦争など経験したことのない
人びとはたくさんいて、ただちに平和を求める
人々の闘いが世界各地で立ちあがるのも事実だ。
平和を希求する営みは国境を越え、
思想信条を超えてつながっていける。
人権擁護の闘いは民族を超え、
性別を超えて支え合っていける―。
* * * * * * * * * *
著者、前田朗氏は札幌出身で、実は私の中学時代の同級生です。
現在東京造形大学教授。
刑事人権論、戦争犯罪論を専攻し、多くの著作があるのは存じていますが、
恥ずかしながら、私は論説文が苦手なので
ほとんど読んだことはありませんでした。
ただこの本のことは、地元の新聞で紹介されていて、
また、「旅」ということでとっつきやすそうだったので、拝読。
いやはや、それにしても自分の不勉強を恥じますね。
知らないことが多くありました。
最近自分でも感じていたことですが、
歳を取ってなんだか保守的になってしまっている。
特に東アジアと日本との関係についてですが、
私はどうも日本政府の言い分に近寄ってきていた。
本作で少なからずガツーンと来ました。
著者の主張は、突き詰めれば「基本的人権」のことなのだろうと思います。
誰もがその言葉をわかっている気でいるけれども・・・、
老若男女はもちろん、人種、民族、宗教、思想信条、社会的地位、
あらゆる差異にかかわらず人は尊重されるべきである。
けれども「人権」という言葉だけでは全然足りていないので、
それぞれに応じた会議・宣言や条約を国際の舞台で確認し合う作業が必要だということなのでしょう。
「反人種差別会議(ダーバン会議)」、「先住民族権利宣言」など・・・。
言われてみれば当たり前のことなのに、
全然当たり前ではなかった数々の悲惨な歴史の事実を、
私たちは少なくとも知っておくべきでしょう。
巻末の方では、日本と同じく(?)非武装の国を紹介しています。
ドミニカ、マーシャル、パナマ、コスタリカ、アイスランドなど
軍隊を持たない国は27カ国。
著者は我が国の憲法第9条が、世界を変える一助となればいいと言っています。
そしてまた日本国憲法前文
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
も重要としています。
本当に。
肝に銘じたいですね。
久しく目をそらしていたことに向き合わせてもらったような気がします。
「旅する平和学 世界の戦地を歩き傷跡から考える」
満足度★★★★☆
図書館蔵書にて。
前田くん、買わないで読んでごめんなさい。
旅する平和学: 世界の戦地を歩き 傷跡から考える | |
前田 朗 | |
彩流社 |
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アフガニスタン、朝鮮半島、中米カリブ海、アフリカ、
ヨーロッパ、米国、アイヌ、沖縄――
世界の紛争地や戦争の傷跡が残る地を旅し、
人々との出会いから戦争と平和のリアリズムを見直す。
普通のガイドブックにはない国や地域を
歩いてガイドします!
メディアを通じて、常に世界中の絶え間ない戦争が
伝わってくるが、実は戦争など経験したことのない
人びとはたくさんいて、ただちに平和を求める
人々の闘いが世界各地で立ちあがるのも事実だ。
平和を希求する営みは国境を越え、
思想信条を超えてつながっていける。
人権擁護の闘いは民族を超え、
性別を超えて支え合っていける―。
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著者、前田朗氏は札幌出身で、実は私の中学時代の同級生です。
現在東京造形大学教授。
刑事人権論、戦争犯罪論を専攻し、多くの著作があるのは存じていますが、
恥ずかしながら、私は論説文が苦手なので
ほとんど読んだことはありませんでした。
ただこの本のことは、地元の新聞で紹介されていて、
また、「旅」ということでとっつきやすそうだったので、拝読。
いやはや、それにしても自分の不勉強を恥じますね。
知らないことが多くありました。
最近自分でも感じていたことですが、
歳を取ってなんだか保守的になってしまっている。
特に東アジアと日本との関係についてですが、
私はどうも日本政府の言い分に近寄ってきていた。
本作で少なからずガツーンと来ました。
著者の主張は、突き詰めれば「基本的人権」のことなのだろうと思います。
誰もがその言葉をわかっている気でいるけれども・・・、
老若男女はもちろん、人種、民族、宗教、思想信条、社会的地位、
あらゆる差異にかかわらず人は尊重されるべきである。
けれども「人権」という言葉だけでは全然足りていないので、
それぞれに応じた会議・宣言や条約を国際の舞台で確認し合う作業が必要だということなのでしょう。
「反人種差別会議(ダーバン会議)」、「先住民族権利宣言」など・・・。
言われてみれば当たり前のことなのに、
全然当たり前ではなかった数々の悲惨な歴史の事実を、
私たちは少なくとも知っておくべきでしょう。
巻末の方では、日本と同じく(?)非武装の国を紹介しています。
ドミニカ、マーシャル、パナマ、コスタリカ、アイスランドなど
軍隊を持たない国は27カ国。
著者は我が国の憲法第9条が、世界を変える一助となればいいと言っています。
そしてまた日本国憲法前文
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
も重要としています。
本当に。
肝に銘じたいですね。
久しく目をそらしていたことに向き合わせてもらったような気がします。
「旅する平和学 世界の戦地を歩き傷跡から考える」
満足度★★★★☆
図書館蔵書にて。
前田くん、買わないで読んでごめんなさい。