近代戦の中を駆け巡る騎馬兵
* * * * * * * * * *
9.11同時多発テロ直後の、アメリカ陸軍特殊部隊(グリーンベレー)隊員の活躍を描く実話を映画化したもの。
対テロ戦争最前線部隊に志願したミッチ・ネルソン大尉(クリス・ヘムズワース)は、
わずか12人でアフガニスタン、テロ集団の拠点マザーシャリーフ制圧の任務につきます。
反タリバンの地元勢力を率いるドスタム将軍の協力を得ることになるのですが、
考え方が根本から違う彼らと共同戦線を張るのがまず一苦労。
そして山岳地帯のこの地では、馬こそが武器と言われ、
隊員の殆どが乗馬経験のないところではありましたが、馬で移動をすることに。
12人対敵勢力5万人・・・。
ほとんど生還は難しいとの覚悟で、彼らは出発します。
いくら銃撃戦でも相手が5万人では難しい・・・と、思えるのですが、
空爆の力を借りるので、あながち無理ということではありません。
今ならドローンがありますが、
この当時は、肉眼で敵の位置を確認し空軍に指示を送る必要があったのです。
だから彼らは、より敵地に近い危険な場所まで行かなければならなかった。
いきなり空爆というのはズルいのではないかと、
私などは浅はかにも思ったりするわけですが、戦争にズルも何もないですね・・・。
そもそもこのときは、9.11テロの直後で人々はみな、憎しみにも燃えていましたし・・・。
相手方も投降と見せかけて自爆テロを仕掛けてきたりするので、
これはもう、ズルしたほうが勝ちなんです・・・。
しかし、そんなことを思いつつも、騎馬隊はかっこよかったのです。
敵方には戦車もあるのに、そんな中を騎馬隊が駆け巡る。
勇敢な兵士たちの姿に、つい胸が熱くなってしまう・・・。
製作側の意図にうまく乗せられてしまいました。
ネルソン大尉は実はその時まで実戦経験がなかったのです。
そんなところを見透かされて、ドスタム将軍に言われてしまう。
「人を殺したことがないヤツは信用できない。」
確かに、そこではなんとなく柔和な目の、クリス・ヘムズワース。
けれど、やがて嫌でも銃撃戦が始まります。
はじめての戦闘の場を踏んだ後の、彼の目。
当然意識して演技に臨んだと思うのですが、この変化が実に見事でした♡
結構見ごたえがあります。
ニューヨークのグランド・ゼロ後に、この特殊部隊の偉業をたたえた騎馬兵の像があるそうで・・・。
知りませんでした。
<ディノスシネマズにて>
「ホース・ソルジャー」
2018年/アメリカ/130分
監督:ニコライ・フルシー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:クリス・ヘムズワース、マイケル・シャノン、マイケル・ペーニャ、ナビド・ネガーバン
苦戦度★★★★★
満足度★★★★☆