まるごとの人格変異
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M・ナイト・シャマラン監督によるサイコスリラー。
見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた3人の女子高校生。
男はどこか神経質そうな様子。
しばらくして、ドアの外から男女の会話が聞こえます。
彼女たちは助けを求めて声を上げますが、
ドアを開けて現れたのは女性の口調で話す先程の男だったのです。
男・ケビン(ジェームズ・マカボイ)には23もの人格があり、
リーダー格の男や9歳の少年、女性などの人格が次々に入れ替わっていたのでした。
そして新たにまた現れた24番目の人格とは・・・?
3人の女子高生のうちの一人・ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)は、
幼い頃からのトラウマを抱えており、人となじまないクールな女子。
だからこの度の対処も他の二人とは異なっているのです。
常に冷静に、状況を見極めようとします。
ケビンが9歳の少年になっているときに、なんとか味方につけようとしたりもする。
本作は結果的に彼女のトラウマからの覚醒と開放を物語っている
というところはなかなか良かった。
さてしかし、これはM・ナイト・シャマラン監督作品なので、
ただ単に多重人格のストーリーで終わるはずがありません。
本作のキーパーソンとなる女性心理学者は言う。
ケビンの人格が変わっているときは、性格だけではなく身体的能力までもが入れ替わっている。
力の強さなどだけではなく、アレルギー反応までもがそれぞれに異なって出るのだと・・・。
そこで新たな24番目の人格というのが、
通常の人間の能力を超えた“超人”であるということなのですね。
そこで健やかな精神性を持っていればまさにスーパーマンなわけですが、そうではなくて・・・。
心の奥の問題は最も身近でありながら、実際にはわからないことだらけ。
ミステリアスだなあ・・・。
ラストに登場したブルース・ウィリス。
何やら本作は同監督の「アンブレイカブル」と「ミスター・ガラス」につながるところがありそうなのです。
アンブレイカブルは確か、見たのだけれど・・・と調べてみてショックを受けました。
このブログの開始以前なので記事がありません。
・・・というか、私はM・ナイト・シャマラン監督作品ほとんど見ているのですが、
多くはこのブログ開始以前に見たので全然記事がない。
が~ん。
自分の見た作品のデータベースとしての役割だけは機能していると自負していたのに・・・。
改めて見ますかね・・・。
でも実のところ「シックス・センス」以外はそれほど面白くはないのだけれど。
というか、初めて見た「シックス・センス」にものすごく驚かされてしまい、
その時以上の衝撃を感じるものはない、というべきか・・・。
<WOWOW視聴にて>
2017年/アメリカ/117分
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカボイ、アニヤ・テイラー・ジョイ、ベティ・バックリー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ジェシカ・スーラ、ブルース・ウィリス
ミステリアス度★★★★☆
満足度★★.5