映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ベン・ハー(2016年)

2020年07月19日 | 映画(は行)

二番煎じは、やはり・・・

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ベン・ハーといえばやはり1959年、チャールトン・ヘストン主演の
あの「ベン・ハー」があまりにも印象が強い。
しかしあれ、222分もあって、なかなかもう一度見ようという気にはなりません。

そこでこの度目についたのが本作で、でもこれは日本未公開なんですね。

 

エルサレムの名家に生まれたベン・ハー(ジャック・ヒューストン)は、
義兄弟であるメッサラ(トビー・ケベル)の裏切りにより、
ガレー船送りとなり、死ぬまで奴隷として船をこぐ運命を背負わされます。
それから5年・・・。
乗っていた船が転覆し、ベン・ハーは辛くも脱出。
謎の族長イルデリム(モーガン・フリーマン)に命を救われます。

数年ぶりに故郷へ戻ったバン・ハーは戦車競争出場の機会を得て、
復讐心を心に秘め、メッサラと宿命の対決に挑みます。

 

本作は、イエス・キリストの物語のサイド・ストーリーでもあると言えます。
この壮大・壮絶な運命の物語を描くには、やはり222分必要なのかもしれません。

そうした長さの末の、あの競技場の戦車対決。
だからこそ、盛り上がったわけですねえ・・・。

 

いえ、本作もなかなかの迫力でした。
ガレー船での戦闘シーン、船同士の激突、てんやわんやのうちの沈没・・・。
そして怒濤の戦車対決。
前「ベン・ハー」を見た方ならおわかりと思いますが、4頭立ての一人乗りカートという感じでしょうか。
すごいスピード感でした。
あの車を曳くなら馬一頭で十分と思えますが、4頭となるとその疾走感と迫力はタダモノじゃないです。
そうではありながら・・・、何というか、まあ普通に面白いアクション映画の一つ、になってしまった。

 

あの半端じゃない重厚感の漂う「ベン・ハー」にはやはり対抗できないようです。

イエス・キリストを描くにも、何か本来の信仰心に欠ける気がする。
テーマとしては今それを中心に据えるのは難しいのかもしれません。

 

<WOWOW視聴にて>

「ベン・ハー(2016年)」

2016年/アメリカ/130分

監督:ティムール・ベクマンベトフ

原作:ルー・ウォレス

出演:シャック・ヒューストン、トビー・ケベル、ロドリゴ・サントロ、
   ナザニン・ボニアディ、アイェレット・ゾラー、モーガン・フリーマン

 

アクション度★★★★★

満足度★★.5