不屈の魂で、音楽に向かい合う
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実在のピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの半生を描きます。
ブラジルに生まれ育ち、幼少期にピアノと出会い、才能を開花させたジョアン・カルロス・マルティンス。
20歳でカーネギーホールでデビューを飾ります。
順風満帆だったはずの彼のピアニストとしての人生。
ところが、不慮の事故で右手3本の指に障害が残ってしまいます。
しかし、不屈の闘志でリハビリに励み、ピアニストとしての活動を再開するも、
やがてさらなる不幸が・・・。
20世紀最高のバッハの演奏家と称された彼は、間違いなく天賦の才を持っていたのです。
その激しい指使い故に、障害が出たのか?と私、予想しながら見ていたのですが、
そうではなくて、事故による負傷が元だったのですね。
けれどそんなことで彼は諦めない。
不屈の魂で這い上がった先にさらにまた不幸が。
そしてその先にさらにさらにまた・・・と、
実は彼が乗り越えたハードルは一つだけではなかったのです。
まるで神に試されているかのようです。
彼の音楽=芸術を希求する心は、生ある限り誰にも止められない。
いよいよ指がダメになり、ついにピアノを諦めなければならなくなっても、
その魂はなおも芸術の高みへ行こうとする。
こんな方がいるものなのですねえ・・・。
作中のピアノ曲はすべて彼の演奏の録音が使われていたということで、
もちろん、音楽も堪能しました。
<シアターキノにて>
「マイ・バッハ」
2017年/ブラジル/117分
監督・脚本:マラロ・リマ
出演:アレクサンドロ・ネロ、ホドリゴ・パンドルフォ、カコ・シオークレフ、フェルナンダ・ノーブル
不屈の魂度★★★★★
満足度★★★★☆