映画と本の『たんぽぽ館』

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スリーデイズ

2020年10月02日 | 映画(さ行)

妻を脱獄させる男

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2007年仏映画「すべて彼女のために」をリメイクしたもの。
そちらも見たことがありませんが・・・。

大学の教師ジョン・ブレナン(ラッセル・クロウ)の妻(エリザベス・バンクス)が、
ある日突然殺人罪で逮捕されてしまいます。
ブレナンは妻の無実を証明するため奔走しますが、上告は棄却されてしまい・・・。
何と彼は妻の脱獄を計画するのです!

妻の無実を証明するため、夫が、いろいろな圧力やら陰謀やら暴力を受けながらも
真実を探り出す・・・というストーリーならこれまでにあったかもしれない。
というか、普通はそうなります。
ところが、何と本作、どう頑張っても証拠が見つからないと見切りをつけた夫は、
妻を脱獄させることを計画し、そして執念でやり遂げようとするのです。

彼は、2年制の大学の「教授」ではなく「教師」で、
全然タフそうでもない一見凡庸な男。
しかし彼は、まだ幼い息子と妻との、3人の生活を守ろうと、
決死の覚悟で計画を練り実行に移します。
いや、それ絶対にムリムリ・・・、
スタローンじゃないんだから。
しかも、自分自身じゃなくて、奥さんを脱獄させるなんてさ・・・
・・・と、私は、不可能に挑む彼を半ばあきれながら見ていたのですが・・・

それは、緻密に練られたストーリー。
一つ歯車が狂えば水泡に帰してしまう。
けれど、着々と準備を進めていくのを見るうちに、もしかしたら・・・?
と、次第に引き込まれ、身を入れ、のめり込んで見てしまっています。
全く、スリリングでヒリヒリします。

彼は、何度も刑務所からの脱獄に成功した経験のある男に、
その体験談を聞きに行く下りがあるのですが、
その男が、リーアム・ニーソン。
そりゃ、妻子を守るために必死に奔走する男と言えば、リーアム・ニーソンですものね! 

えーと、本作は2010年作品で、「96時間」が2009年作品なので、
やはりこの連想はこの時点でも通用するのです。
この配役も、そんな意味を含んでいるのかもしれません。

意外と面白い。

<WOWOW視聴にて>

「スリーデイズ」

2010年/アメリカ/133分

監督:ポール・ハギス

出演:ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス、レニー・ジェームズ、オリビア・ワイルド、リーアム・ニーソン

 

緻密な計画度★★★★☆

満足度★★★★☆