今度は実業家だニャ
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製缶会社の総務部に勤めつつ、余暇にロックバンドで音楽活動をしている茶谷歩くん。
ある日、大株主の実業家が来社するという。
音楽をやっている社員に会いたいと訪ねてきた、丸山と名乗る男性は、
尻尾をぴんと立てた猫を連れていた!?
猫缶を開ける時の、“音楽的な響き"についての話しが思わぬ方向に逸れ……。
学生時代に茶谷が経験した、ヨウムが密室からいなくなった不思議な出来事について説明していると、
丸山と猫がまるで会話をするように謎を解いていく――。
新たなパートナーを加えて、アロイシャス・ニャン氏の事件簿、第三弾なのだニャ!
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ニャン氏のシリーズ第3弾
1・2巻とニャン氏とその秘書丸山氏に関わる主人公がバトンタッチをしていきまして、
今回は製缶会社職員で、余暇にロックバンドで音楽活動をしている茶谷くん。
これまで同様、茶谷は何故か行く先々でこの猫のニャン氏と丸山氏に遭遇。
ちょっとした謎を解いていくことになります。
茶谷が属しているロックバンドのリーダーとの関係の謎解きが、2話連続なのが面白い。
茶谷の音楽愛がうかがえます。
でも、自分にさほどの才能があるわけではないとわかっていて、
メジャーデビューしたいと思っているわけでもない。
いつも近くに音楽があって、時々楽しむことができればいい。
妙にギラギラしていないこういう感じ、好きです。
それで、例によってまた、ニャン氏から茶谷くんがスカウトされるのですが・・・。
予想通りの結末。
なんだか、丸山氏が少し疲れてきているようにも感じられ、
気の毒になってきました。
どなたか、丸山氏の力になってはくれまいか・・・。
「ニャン氏の憂鬱」松尾由美 創元推理文庫
満足度★★★★☆