ついに「解放」される、ジャンヌ
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フランスの王位継承をめぐるイギリスとの百年戦争のただなか。
「フランスへ行け。王を助けよ」との啓示をうけた
ジャネットことジャンヌ・ダルクは連戦連勝。
王太子の戴冠式をランスで行う。
しかしコンピエーニュの戦いで捕虜となり、
1万リーブルの身代金と引き換えにイギリスに引き渡され異端審問にかけられる。
主と自らの解放を信じるジャンヌだが、その時は迫っていくーー!
ジャンヌ・ダルク×山岸凉子最終巻!
巻末には「逃げるは恥だが役に立つ」の海野つなみ氏との特別対談を収録。
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本巻、最終刊です!!
昨年12月に出ていたというのに、気づいていなかったなんて、何という不覚!!
でもこれ、本当に読むのが辛いです・・・。
イギリスに引き渡され、異端審問にかけられるジャンヌ。
寒い地下牢に手かせ足かせで閉じ込められるという環境で、
それでも彼女は生き抜いています。
くじけそうになるジャンヌに聞こえた主の声、
「汝は解放される」を信じ、ひたすら耐えていたのですが・・・。
さすがの彼女も、これまで聞いていた神の声は、
自分の幻想だったのではと疑い、神などいないと、絶望に駆られることも・・・。
しかし、ある神学生が言うのです。
「解放される、というのにはもう一つの意味がある。
肉体からの魂の解放・・・すなわち、死」
このことでジャンヌはやはり自分は神に見護られていると確信するわけですね。
まあ、始めから結果は分かっていることとはいえ、
ジャンヌがどのような気持ちで死に臨んだのか、そこが重要な所です。
著者が、彼女にとっての最大の幸福を最後に用意してくれたことに感謝。
泣けました。
結局ジャンヌはフランスの英雄というよりも、
徹底して神を信じる者であったのだと思います。
特にラストは、まるでキリストを思わせるようでもありました。
「レベレーション 啓示 6」山岸凉子 講談社モーニングKC
満足度★★★★☆
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