女の幸せは結婚だけではないと思ってはいるのだけれど・・・
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若草物語は大好きなので、ぜひ見たいと思っていたのですが、
これもコロナ禍で劇場では見そびれていました。
本作はマーチ家の次女ジョーが、作家の道で自立を果たすため
ニューヨークに出て生活しているところから始まります。
ローリーの求婚を断ってまで、彼女は作家への道を選んだのです。
小説は思いのほか簡単に売れたのですが、その内容はごく一般受けしそうな単純な物語ばかり。
ほんとうに描きたかったのはこんなものなのだろうか・・・?
思っていたのとは少し違う気がするジョー。
そんな時、同じ下宿の親しい男性に、彼女の小説について厳しく批判を受けてしまい・・・。
と、新たな道を歩み始めたジョーの描写の中に、
思い出のシーンとして、私たちのよく知る「若草物語 第一作」が語られて行きます。
堅実でしっかり者の長女、メグ(エマ・ワトソン)。
活発で、信念を曲げない次女、ジョー(シアーシャ・ローナン)。
引っ込み思案で、繊細。体が弱い三女、ベス(エリザ・スカンレン)。
人なつっこく、ちゃっかり者の四女、エイミー(フローレンス・ビュー)。
南北戦争時代、父親が従軍のため戦地へ赴き、留守の間の出来事。
お金持ちの隣家ローレンス家のおじいさん、孫息子ローリー(ティモシー・シャラメ)との出会い。
隣家の家庭教師とメグの恋。
ベスの病気・・・。
これらを踏まえつつ、当時女性の幸せは結婚すること、それが常識というか他の道はほとんどなかった時代において、
自立しようとするジョーの凜々しい意思が描かれているところはしっかり貫かれています。
しかし、「若草物語」が書かれて150年ほどにもなるのに、
現代の女性が目指すのもまたジョーと同じ気持ちというのは、
逆に情けないような気もします。
作中、ジョーはつぶやくのです。
「女の幸せは結婚だけではないと思っている。だけれども、どうしようもなくさみしい・・・」
彼女は自分の才能にも自信をなくし、ローリーともう一度やり直せないかと考え始めます・・・。
こうした下りが、まさに現代を生きる女性の心にもビンビン響くのです。
150年たっても世の中も女心も、あまり変わりませんね。
しかしこのときローリーの心はすでに・・・。
映画で確かめてくださいね・・・。
Amazonプライムビデオにて
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語」
2019年/アメリカ/135分
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ビュー、エリザ・スカンレン、
ティモシー・シャラメ、メリル・ストリープ
女性の生き方提示度★★★★★
満足度★★★★☆
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