弟との大切な約束
* * * * * * * *
チャーリーは、ヨットレースに優勝し、
奨学金を受けて大学進学も決まっているという前途洋々の青年でした。
ところがそんな矢先、交通事故で弟サムを亡くします。
彼が運転していた車での事故。
彼自身も一度は心停止となったのですが、奇跡的に息を吹き返したのです。
しかし、何故弟が死んで自分だけ助かったのか・・・、
彼は必要以上に弟の死に責任を感じるのです。
そんな時、彼は森の中で弟と出会う。
そうですね、それは幽霊ということになります。
弟の死の直前に、毎日日没の時間にこの森でキャッチボールをしようと、
二人は約束していたのです。
「毎日ここへ来ると約束するから、どこへも行くな。」
再び約束を交わす二人。
弟の死に打ちひしがれるチャーリーのその姿についもらい泣き・・・。
ザック・エフロンなかなかいいじゃありませんか。
そこまでの、この兄弟の仲のいい様子の描写も優れていましたから、余計にですね。
ストーリーはそこから一気に5年が過ぎます。
チャーリーは毎日日没時に森へ行かなければならないので、
進学もヨットの夢もあきらめて、
地元で墓地の管理人をしているのです。
若いというのに、これではほとんど世捨て人だ・・・。
弟との約束は大変崇高なのですが、
本当にこれでいいのだろうか? どうなるんだろう・・・と、
この展開には非常に興味がわきます。
そこへ登場するのが、以前チャーリーと同級だったテス。
彼女が単独世界一周のヨットレースに出場すると聞いて、
やはり心穏やかではいられないチャーリー。
スピリチュアルな物語で、特に好きなジャンルではないのですが、
いつになく感動してしまいました。
「君が一命を取り留めたことにはきっと何か意味がある。」と
チャーリーを助けた救急救命士がいうのです。
その意味を探るストーリーというわけです。
毎日毎日、亡くなった弟と会ってキャッチボールをする。
これはつまり、「悼む人」なのではないかと思えてきました。
チャーリーなりの、弟を決して忘れないという「悼む」行為がそれなんだろうな、と。
たとえば「静人」ならば、その悼む行為がライフワークとなるのですが、
チャーリーの場合は、悼んでそこに留まるよりも、
自分の道を真摯に「生きる」方へと向かっていく。
と考えると、やはり「静人」は基本的には宗教者なのだろうと、
今頃解ってきました。
亡くなった人をいつまでも忘れないのは大切なこと。
でも生きている私たちは、更にまた日々を生きていかなければなりません。
どこで、どう区切りを付けるか。
それは人様々で、
そういうところにドラマが潜んでいるのでしょうね。
きっと。
「きみがくれた未来」
2010年/アメリカ
監督:バー・スティアーズ
脚本:クレイグ・ピアース
出演:ザック・エフロン、アマンダ・クルー、チャーリー・タハン、レイ・リオッタ、キム・ベイジンガー
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チャーリーは、ヨットレースに優勝し、
奨学金を受けて大学進学も決まっているという前途洋々の青年でした。
ところがそんな矢先、交通事故で弟サムを亡くします。
彼が運転していた車での事故。
彼自身も一度は心停止となったのですが、奇跡的に息を吹き返したのです。
しかし、何故弟が死んで自分だけ助かったのか・・・、
彼は必要以上に弟の死に責任を感じるのです。
そんな時、彼は森の中で弟と出会う。
そうですね、それは幽霊ということになります。
弟の死の直前に、毎日日没の時間にこの森でキャッチボールをしようと、
二人は約束していたのです。
「毎日ここへ来ると約束するから、どこへも行くな。」
再び約束を交わす二人。
弟の死に打ちひしがれるチャーリーのその姿についもらい泣き・・・。
ザック・エフロンなかなかいいじゃありませんか。
そこまでの、この兄弟の仲のいい様子の描写も優れていましたから、余計にですね。
ストーリーはそこから一気に5年が過ぎます。
チャーリーは毎日日没時に森へ行かなければならないので、
進学もヨットの夢もあきらめて、
地元で墓地の管理人をしているのです。
若いというのに、これではほとんど世捨て人だ・・・。
弟との約束は大変崇高なのですが、
本当にこれでいいのだろうか? どうなるんだろう・・・と、
この展開には非常に興味がわきます。
そこへ登場するのが、以前チャーリーと同級だったテス。
彼女が単独世界一周のヨットレースに出場すると聞いて、
やはり心穏やかではいられないチャーリー。
スピリチュアルな物語で、特に好きなジャンルではないのですが、
いつになく感動してしまいました。
「君が一命を取り留めたことにはきっと何か意味がある。」と
チャーリーを助けた救急救命士がいうのです。
その意味を探るストーリーというわけです。
毎日毎日、亡くなった弟と会ってキャッチボールをする。
これはつまり、「悼む人」なのではないかと思えてきました。
チャーリーなりの、弟を決して忘れないという「悼む」行為がそれなんだろうな、と。
たとえば「静人」ならば、その悼む行為がライフワークとなるのですが、
チャーリーの場合は、悼んでそこに留まるよりも、
自分の道を真摯に「生きる」方へと向かっていく。
と考えると、やはり「静人」は基本的には宗教者なのだろうと、
今頃解ってきました。
亡くなった人をいつまでも忘れないのは大切なこと。
でも生きている私たちは、更にまた日々を生きていかなければなりません。
どこで、どう区切りを付けるか。
それは人様々で、
そういうところにドラマが潜んでいるのでしょうね。
きっと。
きみがくれた未来 [DVD] | |
ザック・エフロン,チャーリー・ターハン,アマンダ・クルー,キム・ベイシンガー,レイ・リオッタ | |
ジェネオン エンタテインメント |
「きみがくれた未来」
2010年/アメリカ
監督:バー・スティアーズ
脚本:クレイグ・ピアース
出演:ザック・エフロン、アマンダ・クルー、チャーリー・タハン、レイ・リオッタ、キム・ベイジンガー
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