映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

神在月のこども

2023年10月01日 | 映画(か行)

今時の少女は凜々しくあってほしい

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毎年10月、日本全国の神々が出雲に集い、翌年の縁を結ぶ会議を行う、
といういわれを題材としたアニメです。

母を亡くして間もない少女、カンナ。
好きだった走ることと向き合えなくなり、鬱々とした毎日を送っています。
ある時、母の形見である勾玉の形をしたアクセサリに手を通すと、
カンナの前に神の使いであるうさぎ・シロが現れ、
人々と神々との境界をまたぐ壮大な旅へと誘います。
全国から神々が姿を消す神無月(10月)に、
神々を迎えてまつる「神在月」の出雲を目指すのです。
始め敵対していた鬼の少年・夜叉もなぜか同行することに。
カンナはこの旅を成功させることができるのか・・・?

降り出した雨の雨粒が静止。
時が止まった?と思ったら、静止ではなくて、
非常にゆっくりになったというところが興味深い。

カンナは、この非常にゆっくりの時の中、
走って東京から出雲まで行かなければならないのです。
ということなので、これにはタイムリミットがあるのです。

途中、様々な神社の神々から、出雲に集まる神々へのご馳走をもらい受けて
届けなければなりません。
実はこの仕事は長くカンナの母が務めていたのでした。
だから母譲りの「走る」ことへのこだわりが、
母の死で、逆にカンナを苦しめることになってしまっていたわけ。
こうした設定や神々の造形がユニークで、とても楽しめました。

だがしかし、です。

この少女カンナが、どうにもぐだぐだのダメなヤツで、魅力が薄い・・・。
最後に覚醒してことをやり遂げることは、まあ、予想が付いている。
けれど終盤、本当に最後の最後の直前まで、やる気がなく、後ろ向き。
カンナは自分の使命よりも、出雲に行けば亡き母と会うことができるかも知れない
ということだけを目的に旅を始めていたのです。
こうした期間が長すぎて、なんだか共感が持てず、好きになれませんでした。

気を持たせるにも限度というものがあるでしょう。

ということで、ちょっと残念なできだったのでは・・・?

 

<WOWOW視聴にて>

「神在月のこども」

2021年/日本/99分

監督:白井孝奈

原作:四戸俊成

出演(声):蒔田彩珠、坂本真綾、入野自由、柴崎コウ、井浦新

 

物語背景のユニーク度★★★★☆

満足度★★.5



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