映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「雨無村役場産業課兼観光係2・3」 岩本ナオ 

2010年07月22日 | コミックス
俺、その人がいない世界が想像できない

雨無村役場産業課兼観光係 2 (フラワーコミックス)
岩本 ナオ
小学館


雨無村役場産業課兼観光係 3 (フラワーコミックス)
岩本 ナオ
小学館


          * * * * * * * *

さて、残りは一気に行っちゃいましょう。
3巻で完結です。
スミオは銀一郎に思いを告げたきり、東京へ出て役者になってしまった。
メグはスミオをたずね、思い切って告白・・・!
スミオは言う。

「ごめんメグちゃん
俺、その人がいない世界が想像できない。」


衝撃・・・。
失意のメグをそっとカバーする銀一郎も、なかなかつらいですね。

さて、銀一郎の提案した桜祭りですが、何とか村の人たちの同意を受けて、実施が決まる。
そうなるとまたいろいろ準備が大変で、銀ちゃんはちょっと弱気。
こんなに大勢の人たちを巻き込んで、失敗したらどうしよう。
本当にこれで良かったのだろうか・・・。
そんな中で、メインとなる樹齢300~500年という桜の木を、樹木医の方に見てもらうのですが、腐って空洞になっている部分があることが解ります。
でも、きちんと手当をすれば大丈夫。
樹木医さんはいいます。

「助かったのー、おまえ。
村の人が桜祭りするゆうてくれて。」


銀一郎の提案の最大の功績です。
人が来なかろうとなんだろうと、それだけで十分に意義があった。
いいシーンです。

思うに、村の人たちは本当は桜祭りなんて、失敗してもいいと思っているようです。
それよりも、一生懸命がんばっている若いもんに協力したい。
どんどん、やりたいことをやれ!
そんな気持ちが見えますね。
だから銀ちゃんもがんばることができる。

そして今まではなーんにもできなかったスミオくんが、
堂々と舞台に立って演技をしているのを見て、度肝を抜かれるメグと銀一郎。


前回はさりげなく前向き・・・と書きましたが、この辺はかなりの前向きになっています。
自分がすべきことが見えてきたら、突き進む。
やはりこれが若さだなあ・・・。
それも、自分一人じゃなくて、
周りの人の励ましがあったり、
人のがんばる姿に刺激されたり。
自分一人だけでは、勇気は出ない。

でもこういうのは、何も田舎でしかできないことではないですね。
都会が故郷になっている多くの若者。
自分たちの故郷を盛り上げる新たな仕組みが、これからできてくるのかもしれません。


一巻目、題材が新鮮ですごく面白いと思いましたが、
2・3巻目はまあ、普通に面白い・・・。
最後の最後に、垣間見える6年後の銀ちゃんとメグ。
ほほう。
やっぱりそうなりますか。
普通に生活して普通に幸せ。
これも貴重ですね。

満足度★★★★☆


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