映画と本の『たんぽぽ館』

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オレたち花のバブル組

2014年01月29日 | 本(その他)
バンカーとしてのプライド

オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤
文藝春秋


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絶好調ドラマ『半沢直樹』(堺雅人主演)原作本第2弾! 
東京中央銀行のバブル入行組・半沢直樹に押しつけられた「頭取命令」
――それは巨額損失を出した老舗ホテルの再建。
銀行内部の見えざる暗躍、
金融庁の「最強の検査官」との対決。
出向先での執拗ないじめ。
次から次へと襲い来る逆境を、半沢はおのれの正義で迎え撃つ。
オレたちは絶対に負けられない。
まとめて面倒みてやる。
やられたら倍返しだ! 
"バブル組"の男たちのプライドが胸を熱くさせる。


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さて、半沢直樹第2弾です。
巨額損失を出した伊勢島ホテルの再建。
それがこの度の半沢の任務ですが、
やはり一筋縄ではいかない、いろいろな裏がある。

出向先のタミヤ電気での辛い状況で、また病気が再開しそうになる近藤。

金融庁査察官・黒崎のキョーレツな個性。
オネエ言葉はドラマ上の演出かと思っていましたが、
本の中でも同じです!!

そして、大黒幕の大和田常務。
いやあ、あのドラマの緊迫シーンがよみがえります。


半沢と同じくバブル世代の渡真利の言葉にこんなのがあります。

「バブル時代、見境のないイケイケドンドンの経営戦略で銀行を迷走させた奴ら
ーーーいわゆる"団塊の世代"の彼らにそもそも原因がある。
学生時代は、全共闘だ革命だとほざきながら、
結局資本主義に屈して会社に入った途端、
考えることをやめちまった腰抜けどもよ。
奴らのアホな戦略のせいで銀行は不況の長いトンネルにすっぽりと入っちまったっていうのに、
ろくに責任もとらないどころか、ぬけぬけと巨額の退職金なんかもらってやがる。・・・」


団塊世代に向けたキョーレツなパンチ。
私自身は団塊世代よりもう少し後の世代ですが、
確かにねえ・・・と、思ってしまうところがあります。
しかしまあ、今さらそんなことを言っても、後の祭り。
世の中全体がそれを是としてしまっていたわけですから。


ラストはみなさまも知っている通り。
「勝負に勝って試合に負けた」というような状況ですね。
けれど、この戦いは半沢が昇進を狙って始めたものではない。
自分の境遇はさておいても、バンカーとしてのプライドが示す方向へ突っ走った結果であるわけなので、
彼としても本望でしょう。
次なる職場へ行っても、頑張れ!半沢直樹。


さて彼の奥様、花さんは、
本の中では結構つっけんどんで、半沢をねぎらう風などもありません。
まあたしかに、ここで甲斐甲斐しく夫をねぎらう妻なんていうのが出てきたらしらけます。
それこそは、「団塊世代の妻」像かも。
バブル世代の妻というのはこんなふうのほうがリアルなのか・・・? 
でもTVドラマの花さんは確かにつっけんどんではありますが、
ちょっとカワイイところもあって、良かったですよね。


「おれたち花のバブル組」池井戸潤 文春文庫
 Kindle版にて
満足度★★★★☆


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