過去のトラウマに立ち向かうために
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クレア(ジェーン・フォンダ)は、学生時代からの親友の葬儀に出向きました。
彼女はそこで、亡き親友の夫・ハワード(マルコム・マクダウェル)に対して、
いきなり殺人予告をします。
それほどにクレアは彼を憎んでいたのです。
そしてまたクレアは、その葬儀の場でもうひとりの親友、エヴリン(リリー・トムリン)と再会します。
エヴリンもまた別の理由でハワードを憎んでいて、
クレアの殺人計画に協力することに。
ふたりは、再び自分の人生を取り戻すため、
トラウマや過去の秘密に向き合っていきます・・・。
愛と性。
同性愛や、性加害、性の多様性。
クレアたちが若かった約50年ほど前と現在の考え方の違いが
テーマとなっていると言っていいと思います。
クレアはハワードのある行為によって、深く傷つき、
当時の結婚生活も捨てなければならなかった。
その後、それは大きなトラウマとなって、心からの幸福を感じたことがない。
しかし、その妻である親友を傷つけたくなかったので、
ひたすら沈黙を守り続けていたのです。
そんなクレアの気も知らずに、ハワードは過去のことを「互いに同意の上の過ち」などという。
これですよこれ。
性加害の認識の違いというもの。
確かに今はそういうことについて、マスコミなどいろいろな場面で言われていて、
被害者側も声を上げることが増えている。
でも実態としては、個々のその捉え方は旧態依然として昔と変わらないですね。
そうした事情は、日本もアメリカも同じのようです。
加害者側では過去の取るに足りない出来事、
場合によっては武勇伝とさえ思うような出来事が、
被害者側にとっては一生の心の傷となってその後の人生にも影を落とす。
だから、軽く扱ってはなりません。
<Amazon prime videoにて>
「ムービング・オン 2人の殺人計画!?」
2022年/アメリカ/85分
監督・脚本:ポール・ワイツ
出演:ジェーン・フォンダ、リリー・トムリン、マルコム・マクダウェル、
サラ・バーンズ、リチャード・ラウンドトゥリー、キャサリン・デント
性の問題度★★★★★
満足度★★★★☆
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