映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

佐々木、イン、マイマイン

2021年08月26日 | 映画(さ行)

過ぎた日、青春

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藤原季節さんは、最近の私の“推し”であります。

この度のNHK大河ドラマ「青天を衝け」でも、
水戸天狗党の藤田小四郎役を務めたのですが、
出番はほんの少しで残念でした。
でも何年か後にはもっと大きな役で登場するに違いありません。

悠二(藤原季節)は俳優になるために上京したものの、鳴かず飛ばずで、
同棲中のユキ(萩原みのり)との生活も、まもなく終わろうとしています。

そんな頃に、高校の同級生多田と再会。
多田と再会したことから、悠二は高校時代の友人・佐々木(細川岳)との日々を思い出します。

佐々木はとにかくむちゃくちゃなヤツ。
級友たちにはやし立てられたノリで、所かまわず素っ裸になってみたりする。
異様に明るくてテンションが高い。
けれど、親しい友人たちは、それが彼の家庭環境の悲惨さを
裏返すものであることにも気づいていた。

悠二はある舞台出演のため稽古に参加しますが、
その舞台の内容が旧友・佐々木とのこととリンクしているように感じられ、
その役に自然に入り込んでいきます。

そしてそんな時、佐々木の訃報が・・・。

佐々木を筆頭に、悠二たちもあの頃とてつもなくバカだった。
自分ではどうにもならない鬱屈を、集まって騒いで紛らわせていたのかも知れない・・・。

そう、このポスターのキャッチフレーズを考えた方は天才。

「佐々木、青春に似た男」

これこそが本作のテーマと言っていいでしょう。
彼は、その後もずっと「青春」を過ごしていた。
自分たちがとうの昔に忘れ去った青春を。
輝かしいけれども実は苦くて苦しみでいっぱいの時を・・・。

もう一人の友人・木村の、高校時代から現在への意外な「変化」には虚を突かれました!!
ナイスなエピソードです。

札幌の高校を卒業して、俳優になるために上京したという
藤原季節さん自身も、この悠二と重なる部分がありますね。

 

「佐々木、イン、マイマイン」

<Amazon prime videoにて>

2020年/日本/119分

監督:内山拓也

出演:藤原季節、細川岳、萩原みのり、遊屋慎太朗、森優作、村上虹郎

 

青春度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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