力強い生き様を見よ
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北の大地で戦う女性たちの矜持と運命を活写する「レディ・フォックス」など、
洋の東西を問わず、昭和、平成、令和の百年をつらぬいて生き抜くひとびと
=「われら」の人生模様を、
『宝島』で直木賞を受賞した筆者が圧倒的熱量で描く作品集。
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「宝島」で、いたく感動した私は、さっそく同著者のこの本を手に取りました。
こちらは短編集ですが、とにかくぎっしり、ずっしりです。
中でもアイヌ女性の生き様を描く「レディ・フォックス」と、
ホテルで働く女性の冒険譚的「1939年の帝国ホテル」が好きでした。
その土地と結び付く人物が、自らの生き様を証明するかのように奮闘する物語、
どこか「宝島」にも似て、その熱量がこちらにもビンビンと伝わってくる。
「ダンディライオン&タイガーリリー」や「終末芸人」はちょっとアクが強すぎて苦手・・・。
今後の真藤順丈さんの方向性によっては、
好きにも嫌いにもなる可能性のある作家さんだなあ・・・と思いました。
<図書館蔵書にて>
「われらの世紀」真藤順丈 光文社
満足度★★★☆☆
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