注目のエピソード満載
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今度こそ傷ついた誰かを救えるように、わたしたちは警察官になった。
空軍基地での変死事件や雪密室、雨の夜の墜落事件の謎、
そして不可能犯罪に挑むマリアと漣の“始まりの事件"とは
『ジェリーフィッシュは凍らない』に連なるシリーズ第四弾は、短編集!
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『ジェリーフィッシュは凍らない』に連なるシリーズ第四弾ということですが、これは短編集。
おなじみの人物が登場するスピンオフ的作品集となります。
表題「ボーンヤードは語らない」は、
U国空軍少佐、ジョン・ニッセンが基地内の変死事件に挑みます。
相談をマリアに持ち込むと、するすると糸口が見つかるというのが心地よいですね。
「赤鉛筆は要らない」は、九条漣の高校時代の出来事。
彼が先輩の家を訪ねて遭遇する“雪密室”の事件。
その時点では蓮は真相を明らかにせず、
後年、彼がU国に暮らすようになってから、真犯人に向けて糾弾の手紙をしたためます。
若き蓮は今とほとんど印象はかわりませんね。
「レッドデビルは知らない」は、ハイスクール時代のマリア・ソールズベリー。
今にも増して粗暴な性格、赤毛でムダに美人のマリアは、
家族からも学友たちからも持て余されていましたが、
ただ1人親友と呼ぶべき相手ができた。
ところがその彼女が事件で亡くなってしまうのです。
その死の真相を突き止めるマリア。
このことが彼女の進路に影響したわけですね。
そして最後の「スケープシープは笑わない」は、
蓮とマリアが初めて出会いタッグを組んだ事件。
児童虐待を匂わせる通報を受けたのですが、肝心の通報者が分からない。
2人はとある一軒の家の家族が怪しいと目星をつけましたが・・・。
警官になる前の蓮とマリア。
そして初めての出会い。
初めて組んだ事件。
ファンにとってはまことに嬉しい短編集でした!!
<図書館蔵書にて>
「ボーンヤードは語らない」市川憂人 東京創元社
満足度★★★★☆
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