映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ドロステのはてで僕ら

2021年07月05日 | 映画(た行)

ちょっとした過去と未来の連なり

* * * * * * * * * * * *

人気劇団「ヨーロッパ企画」による劇団初のオリジナル長編とのこと。

とある雑居ビル2階。
カトウがテレビの中から声がするので画面を見ると、
そこに自分の顔が映っていて、「オレは2分後のオレ」と語りかけられます。
どうやら、カトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、
2分の時差でつながっているらしいのです。
そのことを知って、友人たちが集まってきて、あれこれ口を出します。

未来のことがわかるといっても、たった2分では大して意味がない。
テレビとテレビを向かい合わせにすれば、もっと先の未来を知ることができるのでは?
ということになり2階のテレビを運び込んで、向かい合わせに置いてみました・・・。

 

私は知らなかったのですが、この同じ画面が小さくなりながらずっと奥の方まで
無限に続いているというのを「ドロステ効果」というのですね。
鏡を2枚向かい合わせたときの、不思議でちょっと恐いような感じの現象です。

この場合、奥に行けば行くほど遠い未来、そして遠い過去の映像が見えることになります。
(そうなのか?・・・って、私も実はよく理解していないかも・・・?) 
ただし、映像はうんと小さく、ぼやけてくるので、判明できるかどうかはわからない。


少し先のことがわかるとどうなるのか。
彼らはそれをどう利用していくのか。
ただ騒いでいるようで、結構機転が利きますね、彼らは。
しかし、わかった未来の出来事を、義務的に繰り返して演じるようになってしまうのはどうなのか、
と皆も思いつつ、違うことをするのがなんだか恐いという気持ちもあって、
混乱の世界が続いていきます。

すべての出来事が伏線であり、伏線回収であるという、パズルのような状況。
面白いです!

この脚本を書いた方は天才です。
「サマータイムマシーン・ブルース」を書いた方と聞けば納得。

 

<WOWOW視聴にて>

「ドロステのはてで僕ら」

2020年/日本/70分

監督:山口淳太

脚本:上田誠

出演:土佐和成、朝倉あき、藤谷理子、石田剛太、本多力

 

ドロステ度★★★★★

満足度★★★★☆

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿