ちょっとした過去と未来の連なり
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人気劇団「ヨーロッパ企画」による劇団初のオリジナル長編とのこと。
とある雑居ビル2階。
カトウがテレビの中から声がするので画面を見ると、
そこに自分の顔が映っていて、「オレは2分後のオレ」と語りかけられます。
どうやら、カトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、
2分の時差でつながっているらしいのです。
そのことを知って、友人たちが集まってきて、あれこれ口を出します。
未来のことがわかるといっても、たった2分では大して意味がない。
テレビとテレビを向かい合わせにすれば、もっと先の未来を知ることができるのでは?
ということになり2階のテレビを運び込んで、向かい合わせに置いてみました・・・。
私は知らなかったのですが、この同じ画面が小さくなりながらずっと奥の方まで
無限に続いているというのを「ドロステ効果」というのですね。
鏡を2枚向かい合わせたときの、不思議でちょっと恐いような感じの現象です。
この場合、奥に行けば行くほど遠い未来、そして遠い過去の映像が見えることになります。
(そうなのか?・・・って、私も実はよく理解していないかも・・・?)
ただし、映像はうんと小さく、ぼやけてくるので、判明できるかどうかはわからない。
少し先のことがわかるとどうなるのか。
彼らはそれをどう利用していくのか。
ただ騒いでいるようで、結構機転が利きますね、彼らは。
しかし、わかった未来の出来事を、義務的に繰り返して演じるようになってしまうのはどうなのか、
と皆も思いつつ、違うことをするのがなんだか恐いという気持ちもあって、
混乱の世界が続いていきます。
すべての出来事が伏線であり、伏線回収であるという、パズルのような状況。
面白いです!
この脚本を書いた方は天才です。
「サマータイムマシーン・ブルース」を書いた方と聞けば納得。
<WOWOW視聴にて>
「ドロステのはてで僕ら」
2020年/日本/70分
監督:山口淳太
脚本:上田誠
出演:土佐和成、朝倉あき、藤谷理子、石田剛太、本多力
ドロステ度★★★★★
満足度★★★★☆
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