一緒に同じものを食べて生活すれば、家族
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父の日登志(永瀬正敏)が亡くなり、
カメラマンの麟太郎(染谷将太)が葬儀のために故郷に帰ってきます。
母アキコ(斉藤由貴)は、通夜振る舞いの弁当を勝手にキャンセルし、
自分で料理を作ると言い出します。
母が運んできた料理は目玉焼き。
あまりに場にそぐわないものでしたが、
麟太郎は子どもの頃のある一場面が思い出されるのです・・・。
以下、この家族の出来事を少年・麟太郎の視点で描くとこうなります。
父と姉(美也子)、そして僕の3人家族のところに、
ある日いきなり新しいお母さんと、お兄ちゃん(シュン)がやって来て、
これが新しい家族だという。
始めはお互いにぎこちなかったけれど、次第にシュン兄とは仲良くなった。
美也子姉ちゃんとシュン兄も始め、にらみ合っていたけれど、
だんだん仲良くなって、にぎやかな5人家族になった。
ところがある日、一本の電話がかかってきて、夜通しお母さんが泣いていた。
そしてその後家を出て行って、一週間帰ってこなかった。
やっと帰ってきたと思ったその後、
お父さんとシュン兄が山へ出かけた。
そして帰ってきたと思ったら、今度はいきなりシュン兄が家を出て行ってしまった。
大好きなシュン兄が理由も告げずにいなくなってしまった。
父と母はそのわけを知っているはずなのに、何も言わない。
いきなりの家族崩壊に戸惑う姉弟・・・。
子どもの自分では不可抗力の、新しい家族の構築。
そして崩壊。
このことは若干麟太郎少年の心の傷となってしまったようなのですが・・・。
本作は家族がこんなふうになってしまった理由を、ひもといていく作品なのです。
そこには、確かに大人の事情があります。
けれど、麟太郎は思う。
家族を思うとき、そこには数々の食べ物の思い出が一緒にある。
子どもの頃父が作ってくれた、スライスチーズを敷いた目玉焼き。
赤だしと白だしの味噌汁抗争・・・。
具だくさんのお味噌汁はどちらにしてもおいしそうでしたけれど。
血のつながりなんかなくても、一緒に同じものを食べて生活すればそれが家族なんですね。
じんわりと涙がにじんでくるような、そんな作品。
姉役の戸田恵梨香さんの少女時代が森七菜さんでした!
<WOWOW視聴にて>
「最初の晩餐」
2018年/日本/127分
監督・脚本:常盤司郎
出演:染谷将太、戸田恵梨香、窪塚洋介、斉藤由貴、永瀬正敏、森七菜、楽駆
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