映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ザ・ゴールドフィンチ

2021年05月05日 | 映画(さ行)

これぞ、「物語」

* * * * * * * * * * * *

13歳の少年テオは、メトロポリタン美術館で爆破テロに遭い、母を亡くします。
天涯孤独となった彼は、裕福な同級生の家に身を寄せますが、
新たな生活になじみ始めた頃、行方をくらましていたアルコール依存症の父が迎えに来ます。
その後も運命に翻弄されながら波乱に満ちた人生を歩むテオ。
彼が心のよりどころにしていたのは、
あの日、破壊された美術館から持ち出した名画
「ゴシキヒワ(ゴールドフィンチ)」だった・・・。

 

名画の行方を追う物語でありながら、
テオの少年期から青年期までの人生を描く物語でもあるのが興味深いところです。

 

母を亡くした少年が、裕福な家庭の美しい母親(ニコール・キッドマン)に憧れを抱き、
やがてその家の家族として受け入れられようとする寸前、父親が現れる。
本来それは幸運な出来事であるはずが、全く余計なことでした。
父は別の女性とど田舎の寂れた街に暮らしており、
テオはニューヨークの親しい人々と別れ、そこに引き取られることになるのです。

 

その地でできた友人は、確かに気のいいやつではありましたが、
これがまた家庭に問題があるせいか、盗みや麻薬をテオに教授します。
やがて父親が借金のために、テオの母親がテオのために残した財産を
横取りしようとしていたことが発覚。
テオは家を飛び出し再びニューヨークへ。
けれどそんな時、彼を受け入れてくれる人がいたりするのが嬉しい。

青年期のテオ(アンセル・エルゴート)の恋模様やビジネスの手腕、
これもまた波乱含みで、全然飽きません。
しかし彼がずっと大切に持ち続けていた名画が実は・・・というところが驚き。

これぞ「物語」ですな。

 

<WOWOW視聴にて>

「ザ・ゴールドフィンチ」

2019年/アメリカ/149分

監督:ジョン・クローリー

原作:ドナ・タート

出演:アンセル・エルゴート、オークス・フェグリー、アナイリン・バーナード、
   フィン・ウルフハード、ジェフリー・ライト、ニコール・キッドマン

物語性★★★★★

満足度★★★★☆

 

 



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