映画と本の『たんぽぽ館』

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MISS ミス・フランスになりたい!

2021年04月05日 | 映画(ま行)

自分らしさのままで

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なんで今時ミスコンの話なのか・・・と思ってよく見たら、
そう思っているのは男子でした!

 

9歳の少年アレックスは、ミス・フランスになることを夢見ています。
でも級友たちはそのことをバカにするのです。

そして24歳になったアレックス(アレクサンドル・ベテール)。
幼なじみのエリアスと偶然再会しますが、
彼は努力の末、子どもの頃の夢をかなえていました。
アレックスには彼が輝いて見えます。
そこで、アレックスも忘れかけていたミス・フランスの夢に向き合おうと思うのです。
下宿先でそのことを明かしたアレックス。
母親のような家主・ヨランダや、ドラァグ・クィーンのローラ等、
個性豊かな仲間たちに支えられ、
男であることを隠したまま、コンテストに出場します。

ミスコンなんて、セクハラの象徴のようなもの・・・という向きもある昨今、
でもこんなふうに美しいものをより美しく見せる催しと思うと、悪くない気もします。
性別も、ミスかミセスも抜きにしてしまえば。

とにかく、このアレックスがキレイなんですよ。
うっとり。
このアレクサンドル・ベテールさんは、パリでジェンダーレスモデルとして活躍しているそうです。
ジェンダーレスモデル! 
今時はそういうのもありなんですね。
日本でもいないのかな?

作中で「あなたはどう頑張っても女にはなれない。でもより女らしくはなれる」
というような言葉がありました。
そうなんですね。
女性は自分の「おんならしさ」を意識しないけれど(意識しすぎると単にいやらしくなる)、
男性だからこそ「おんならしさ」を演出できるのかもしれません。
歌舞伎の女形が、女性以上に女らしさを感じさせるのと同じこと。

アレックスの下宿の皆さんが実にバラエティ豊か。
ドラァグ・クィーンやアラブ系、インド人、アフリカ系・・・
それぞれが個性豊かなので、
アレックスがいきなりミスフランスになりたいといいだしても動じません。
自分らしさのままで、皆生きています!

 

<シアターキノにて>

「MISS ミス・フランスになりたい!」

2020年/フランス/107分

監督:ルーベン・アウベス

出演:アレクサンドル・ベテール、パスカル・アルビロ、イザベル・ナンティ、
   ティボール・ド・モンタレンベール、ステフィ・セルマ

 

自分らしさ★★★★★

満足度★★★★☆

 



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