映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

少女

2021年05月22日 | 映画(さ行)

不安定な少女たちの成長

* * * * * * * * * * * *

高校2年、由紀(本田翼)と敦子(山本美月)は親友同士。
由紀は「ヨルの綱渡り」という小説を書き、
敦子はいじめに遭ったトラウマから過呼吸を繰り返す。
ふとしたことから気まずくなった二人は、
連絡も途絶えたままそれぞれの夏休みを過ごします。
由紀は小児科の病棟で、敦子は老人ホームでボランティア。
それぞれの場所で、問題を抱えた人と向き合うことに。

湊かなえさん原作なので、テイストは手放しの感動作という風ではありません。

「少女」らしく純粋で、過敏で、残酷で、そして不安定。
ある転校生が親友の死体を見たと話すのを聞き、
自分も人の死を目撃したいと思ったりする。
不安定であるが故に、死への憧れもある・・・。

ということで、ちょっと私が苦手の
「負への感情の振れ幅が異常に大きい女子」
たちの話ではあるのですが、
しかし、この二人はそれぞれの夏の経験を踏まえて、
ちゃんと「生」へのまなざしと互いへの信頼を取り戻していくという、
なかなかステキな物語なのです。

苦手シーンも乗り越えて、最後まで見て良かった~。

このときまだ「真剣佑」名義の新田真剣佑さんと、
稲垣吾郎さんの出演も嬉しいところ。

中年男が女子高生に、
自分のパンツと女子高生の今はいているパンティを一緒に手洗いしろ、
と強要するのが最大のセクハラ・・・?
ちょっとここは笑ってしまった。
でもJKは確かに、イヤだろう・・・。

<WOWOW視聴にて>

「少女」

2016年/日本/119分

監督:三島有紀子

原作:湊かなえ

出演:本田翼、山本美月、新田真剣佑、児嶋一哉、菅原大吉、稲垣吾郎

 

少女の成長度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿