映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

モールス

2012年03月01日 | 映画(ま行)
200年の孤独な心が求めるもの



                    * * * * * * * * * *


スウェーデン作品「ぼくのエリ200歳の少女」のリメイクです。
中身はほとんど変わっていないので、ストーリーはこちらを参照ください。

→「ぼくのエリ200歳の少女」



凍てつく冬を舞台に繰り広げられる静謐なホラー。
元作品のその雰囲気はきっちり守られています。
孤独な少年オーウェンとヴァンパイアの少女アビー、
配役がまさにはまっています。
オーウェン役のコディ・スミット=マクフィーは、
「ザ・ロード」でヴィゴ・モーテンセンと共に世界崩壊後の旅をした少年。
なるほど、あれも名作でしたねえ・・・。
一方、アビー役のクロエ・グレース・モレッツは、
キック・アスの元気な女の子じゃありませんか!
双方まだ若年ながら、頼もしい俳優であります。
繊細な少年少女の心を見事に演じてくれました。
・・・しかし、思うのですがアビーは今作では200歳とまできっちり触れられていませんが、
かなりの年月を生きているのに間違いない。
とすれば、姿は少女だけれど、精神はもっと老成しているのではないかと思ったりもします。
あれ?十分老成していましたっけ?
・・・よくわかりません。
心も年をとらないのかも・・・。



今作の原題は”Let Me In”つまり、私を中に入れて。
アビーは窓の外やドアの外からオーウェンにささやきかけます。
というのも、ヴァンパイアは相手の許しを得なければ、その人の部屋に立ち入ることができないのです。
私たちの中にもそうした結界を持つ力があるというのも、
ちょっと興味深いですね。
そういえばオーウェンのお母さんは、子供には無関心だけれど、
いつも食事のまえなどに熱心にお祈りをしています。
そうしたものが余計に、アビーがこの家に立ち入ることを難しくしているような気もします。



さて、ハリウッド版リメイク作品を見るといつも思うのですが、
元作品はそれだけで十分完成されていて、すばらしい味が出ているのに、
なんでわざわざリメイクするのか、と。
よくわかりませんが、つまりはアメリカ人は字幕が嫌いなのかもしれません。
吹き替えという手もあると思うんですけどね。
私が洋画に対して愛着を感じているほどには、
アメリカの方々は外国語の作品に愛着がないのかもしれない・・・。
よいオリジナルの脚本が足りないという事情はありそうですが。

モールス [DVD]
クロエ・グレース・モレッツ,コディ・スミット=マクフィー,リチャード・ジェンキンス,イライアス・コティーズ
Happinet(SB)(D)


監督:マット・リーブス
出演:コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ、イライアス・コティーズ、リチャード・ジェンキンス


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