男か女かはどっちでもいい
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魚類に関する豊富な知識を持つことで知られる、タレントで学者でもあるさかなクン。
本作は氏の著書「さかなクンの一魚一会 まいにち夢中な人生!」を元にした、
さかなクンの半生を描いたもの。
しかし、そのさかなクン役がなんと“のん”さん、
というのがいかにもユニークな作品となっています。
本作の冒頭にまず「男か女かはどっちでもいい」という文字が出るのですが、
物語を見ていくにつれて、本当にそうだなあ・・・と思うようになりました。
小学生のミー坊は魚が大好きで、寝ても覚めても魚のことばかり考えています。
父は周囲の子と違うミー坊を少し心配しています。
一方、母はあたたかく見守り、そっと背中を押してくれます。
高校生になったミー坊は、相変わらず魚に夢中。
けれどなぜか町の不良達とも仲がよかったりします。
やがて高校を出て一人暮らしを始めたミー坊。
しかしさすがに、彼にぴったりな職はなかなかありません。
ミー坊は多くの出会いや再会を経験しつつ、独自の道を歩み始めます。
ひたすら好きなことに突き進む。
他の人とはちょっと違うけれど、自分の道は自分で決める。
そんなミー坊の生き方は、確かに、
「ミー坊自身」ということで、男も女も関係なくて、どうでもいいことなのでした。
そしてまた、自分の道を歩むといっても「根性」物語ではなくて、
ひたすらほんわかとしている。
そんなところがまた、のんさんにはぴったりの役。
もう、他には考えられません。
そしてまた、そんなミー坊を温かく見守る人たちの存在がまた嬉しい。
学歴なんて関係なしに、その人の特性とか本当にやりたいことをして
生活できる世の中であればいいなあ・・・とつくづく思ってしまいます。
さかなクン本人も、魚好きの変なオジサン、
ギョギョおじさんとして登場するのも、お楽しみです。
一見の価値ありのドラマ。
<Amazon prime videoにて>
「さかなのこ」
2022年/日本/139分
監督:沖田修一
原作:さかなクン
出演:のん、柳楽優弥、磯村勇人、夏帆、岡山天音、井川遥、さかなクン
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