恐竜より厄介な人の欲
* * * * * * * * * *
「ジュラシック・ワールド」の続編です。
このシリーズはずっと見ているので、
最近CG駆使の特撮ものはあまり見なくなっている私ですが、
なんとなく見てしまう・・・。
ジュラシック・ワールドのあったイスラ・ヌブラル島は、
前回の事件により閉鎖されて、
残された恐竜たちがその本能に従って生き延びていたのですが、
火山の活動が活発化し、大噴火の予兆が見られるようになってきたのです。
そこで恐竜たちを救い出すために
前作に登場したオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)が行動を起こします。
しかし、彼らの協力者であるはずの者たちは、単に恐竜を救いたいという意志だけではなく、
金儲けや軍事利用等の目論見を抱いていた・・・。
本作の宿命的テーマとも言えるかもしれませんが、
本当に厄介なのは恐竜そのものよりも人の欲なんですね。
つねに“欲望”が、事態を面倒な方へ導く。
島から連れ出すことができた恐竜は全体のうちの僅かです。
炎に包まれた島に残された恐竜たちを船から眺めるシーンには
ちょっと泣きそうになりました。
それで、島から連れ出された恐竜はアメリカ本土に運ばれます。
草原や森のなかの恐竜もいいけれど、屋敷の中で暴れまわる恐竜というのもスリルたっぷり。
しかも最強のハイブリッド恐竜、インドラプトル・レックス。
これは怖い。
長い爪が少女メイジーに届きそうになる下りは、ほとんどエイリアンにも近かったですが・・・。
ちょっと作りすぎて、恐竜ロマンからは遠くなってしまったかな?
またこの少女にもある秘密があり、そのことがまた後に大きな影響を及ぼすことになるというストーリー運びは
よくできていたと思います。
オーウェンになついている“ブルー”がまた、いいですよね!
なんだかどんどん愛着が湧いてきます。
でもこんな頭の良い恐竜を敵に回したらやっぱり怖いなあ・・・。
まあ、しっかりと楽しませていただきました!
<シネマフロンティアにて>
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」
2018年/アメリカ/128分
監督:J・A・バヨナ
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、レイフ・スポール、ジャスティス・スミス、ダニエラ・ピネダ、イサベラ・サーモン
恐竜への共感度★★★★☆
満足度★★★★☆
まったくもって、しようのない人間たちです。
> インドラプトル・レックス・・・長い爪が少女メイジーに届きそうになる下り・・・ちょっと作りすぎて、恐竜ロマンからは遠くなってしまったかな❔
見ている者を無理に怖がらせているシーンでした。それゆえ、絶対に殺されぬと安心して見てました・・・シー!(内緒話)
太古の恐竜が蘇って、現代の地上を闊歩する、という醍醐味が本作の初めの方にはあったと思うのですが、次第につくられた怪物になっていくのがつまらなく思う私です。
まあ確かにアメリカ映画なら女性と子供はきっと助かりますよね・・・。お約束、お約束。