大金のためのサバイバル
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米澤穂信さんの原作本は読んだのですが、
例によって内容はほとんど忘れているので、ミステリの映画でも問題ありません。
「暗鬼館」という館に「時給11万2000円で実働7日間」という求人広告につられて集まった男女10人。
何かの実験のため24時間監視されるだけ、という仕事内容です。
2日目、銃殺による死者が発見され、参加者たちは互いに疑いを抱くようになっていきます・・・。
「そして誰もいなくなった」をなぞらえて、
広間には10人のインディアン人形が飾られていたりする。
多少のミステリファンなら、この先やばいことが起こることは気がつきますよね。
いや、そもそも時給11万2000円って!!
まともな仕事じゃないことは容易に想像がつくはずなのですが、
お金につられた人々が集まります。
だって、24時間×7日だとなんと18,816,000円。
しかしまさに、飛んで火に入る夏の虫。
次々に死んでいく参加者たち。
途中棄権なし。
大金のためのサバイバル!
なるほど、藤原竜也さんにふさわしい配役でありました。
見ながら私が思ったのは、第一の殺人のあと、
彼らは自分たちの部屋の武器をすべて集めてその被害者の部屋の「容器」にしまうべきだった。
そのカードキーは皆の目の前で破棄する。
あとは皆で平和な6日間を過ごす・・・。
ところが、最後まで見て判明したところでは、そうしてもやはり無理だったのかもしれません。
何しろ、この中に「危険人物」が紛れているわけだから・・・。
凶器になるものはキッチンにでもどこにもありそうですもんね。
原作本についてはこちら→「インシテミル」
原作では集まるのは12人で、もっと悲惨な殺戮が繰り返されるようです。
映画約2時間のためにかなり端折った様に見受けられます。
それなので、犯人当てのミステリ風味が薄れて、
単なる残虐趣味のストーリーになってしまったように思います。
そして本作で私が何よりも気に入らなかったのが、
食事の支度も後片付けも、すべて女性だけがやっていたところ。
なんでだよ!!
せめて手伝いなよ、結城くん。
<WOWOW視聴にて>
「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」
監督:中田秀夫
原作:米澤穂信
出演:藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、武田真治、平山あや、大野拓朗、北大路欣也
残虐度★★★★☆
サバイバル度★★★★☆
満足度★★.5