ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

やれやれやっとのゲネプロ終了!

2007-09-07 21:58:45 | 演劇

 『どんがら山奇譚』のゲネが終わった。上陸した台風が刻一刻近づく中でのゲネ敢行。前日は、正直、ずぶぬれ覚悟だった。なのに、搬入時には、雨降りどころか太陽さえ顔を覗かせたからね、いやあ、天気に関してはとことん強運だね。もっとも、夜の9時過ぎに終わって、トラックに積み込む頃には、どしゃ降り!全員ぐしょぬれの作業になったけど。でも、いいんだよ、お終いなら、ちょっとばっかし濡れたって、やり通した高揚感の真っ直中だから、つらさなんて感じない。かえって熱した身体を冷やしてくれて気持ち良かったくらいのものだ。

 今年のゲネは、思い切って米沢まで遠征した。これまでは、ずっと地元川西のフレンドリープラザでやってきた。安いし、近いし、慣れてて安心だからね。でも、今回は照明がかなり凝っていて微妙な調整が必要だったから、不安だったんだ。本番会場米沢市民文化会館で実際に試しておかないとね。それと、装置も平台を一面に敷き詰めるなんてとんでもないことやってるから、こっちもぜひ、本番会場で慣れておきたかった。

 で、結論から言えば、やってよかったってこと。プラザでやると、装置の置き位置も微妙に違うし、照明の当たりもまるで違う。そりゃそうだ、プラザはサスライトが3列なのに、米沢は2列で、吊り位置もかなり違う。その他袖幕の配置もまるで違う。だから、プラザでやったリハーサルは、も一度頭の中で組み替えないと、本番の会場では通用しなかったんだけど、これってかなり高度な知的作業が必要なんだよ。でも、今回は本番会場でやれたから、部員全員の頭の中に具体的なイメージとしてインプットできたに違いない。

 それに、何より、たくさん失敗してくれたからね。本番会場で本番と同様のセッティングで間違っておけば、次はしっかりやってくれるはずだ。ね、そうだよね!裏方さん!!

 いや、実際大変なんだ、照明とか音響とか舞台とかってのは。なんたって、普段稽古場でいじっておくわけにいかないんだから。わずか一日のリハーサルでとことん頭にたたき込まなくちゃなんない。それも、一日中触っていられるってもんじゃないしね。限られた時間、限られた稽古機会で、本番に備えなくちゃにらない。

 いやー、厳しいと思うよ。セリフなら、間違って言い直しても、あるいは、数行飛んでしまっても、まあ、致命的ミスにはならないけど、音響で出す音楽間違えたら、照明で舞台真っ暗にしてしまったら、これはもう絶対取り返しつかないからね。実を言うと数年前、置農が数少ない東北大会行きの機会を逃したのもこれだった。

 明るい稽古場では当たり前のことが、舞台では成り立たない。例えば、舞台監督はインカムを着けると舞台全体が見渡せないとか、暗転中の役者の板付きは、音響席や調光室からは見えないとか、暗転中のものの出しハケはものがよく見えないとかね。稽古場なら自然と目に入っていたものが、舞台では、それなりの工夫をしないと見えないってことなんだ。

 さらに、照明にしろ音響にしろ、使う機材はプロ仕様だかね。覚えるだけでも容易でない。実際、今回だって、音響卓の説明、ゆうに30分かかったからね。舞台用語も分からない、尺や間の長さも思い浮かばない、そんな高校生が、わすが一日でマスターできるわけはないんだよ。

 って、分かっていても、・・・うーん、この間違い!このミスの多さ!!どうしてくれよう!!怒りがぐわーっと頭に上って、思わず怒鳴ってしまうことしばしばのリハーサルだった。以前は優しくしよう、丁寧に話そうって反省した時期もあったけど、最近は、自分の心に素直になろうと決めている。言葉も粗っぽくなった。女子高生相手に馬鹿野郎呼ばわり、親が聞いたらきっとびっくりして連れ帰っちまうだろうな。

 でも、僕は僕なりに、育てているつもりなんだ。人によって怒鳴り方も変えるしね、怒る視点も違う。上級生には厳しく、下級生には柔らかく、そんな気配りしつつも、でもねえ、もう、呂律が回らなくなるくらい、怒り心頭なんだよね。で、そのくらいこっちの気持ちを直にぶっけないと、ダメなんだと思う。こっちの真剣さの度合いをしっかり伝える、それには、全身全霊で怒りをぶっつけることなんだと思う。そんな心と心の真剣勝負で、芝居作りを伝えて行きたいと思ってる、なんて、ちょっと、格好良すぎた、てへへ。

コメント (4)
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