ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

『どんでん森は、どっきどき』千秋楽

2011-12-25 09:53:48 | 教育
 とうとう終わった。今年の食育子どもミュージカル、最後は杉並第四小学校での公演だった。

 東京での一般公演ということで、かなり気合いを入れて乗り込んだ。舞台は、ええーっ!これが体育館?!ちょっとしたホール並みだ。袖幕も中割も分厚いビロード。大黒幕だってある。当然ホリゾントもあってホリライト、ボーダーライト、さらにサスライトまで完備している。それも調光卓付きだ。
舞台も間口6間、奥行き3間、立派なもんだ。

 さらに気に入ったのは舞台前面框に上手から下手まで階段が付いていたことだ。これは使える。縦横に舞台と客席を行き来できる。階段好きの僕としては、それだけでわくわく。キャストにアドリブで使ってみるよう指示した。

 突如だもんな、言われた役者も大変だった。運動神経の良い男2人はさすがに見事本番で使いこなしたが、後は余計なお世話だったようだ。

 さて、本番の出来だが、悪くはなかった。役者は精一杯やった。スタッフのミスもなかった。でも、大切なものが欠けていた。演劇必須の三要素の一つが。観客だ。あまりに少ない。特に子どもたちが10人弱、椅子席の前の体育マット席が立ち入り禁止区域のように舞台と客席を隔ててしまっていた。

 これは辛かった。子どもたちの笑いとざわめきで盛り上がっていくこのミュージカルとしては致命的だった。杉並四小の先生方や車座トークメンバーの人たちなど応援してくれたけど、やっぱな子どもたちのライブ感がねえ、なくちゃ。

 難しいんだよ、人を集めるっていうのは。主催者は一生懸命やってくれてる。でも、動員できるような集団抱えてないと容易には集められない。僕も経験あるが、そんな時の主催者って本当に切ないものだ。やきもきやきもきした挙げく出演者には申し訳ない気持ちでいっぱいになってどこにもぶつけようのない憤懣に身もだえするものなのだ。

 だから、僕としてはこんな寂しい客席にも落胆することはないのだが、やはり生徒たちのことを思うと、最後の舞台は精一杯盛り上がって終わりたかった!というのが本音だ。

 ただその後の車座トークで参加者の皆様から暖かい言葉をたくさんかけていただけたので、生徒たちは気を良くして終われたのではないかと思う。

 何事も思うようにはいかない。思いがけないことも待っている。それが人生ってもんだ、って月並みな処世訓で、『どんでん森は、どっきどき』千秋楽に御座りまする。
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コメント (4)
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