ステージおきたま

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真冬の公演、役者も凍る?菜の花座『夢金らぷそでぃ』

2014-12-17 20:02:06 | 演劇
 えっ?本当??真冬に公演?お客さん来るの?

 会館スタッフとの打ち合わせの日程を相談に行って呆れられた。菜の花座次回公演は厳冬真っ只中の1月18日。普通、やらないよね、この時期に。山形だよ、置賜だよ。12月の半ばだっちゅうのに、外は大雪!今日なんか2回も除雪をしたくらい。明日の稽古も果たしてできるかどうか?10日前も大雪で稽古、中止になったばかり。正月明ければすぐ本番だなんて。

 12月中にやりたかったんだ。それも月初め、まだ雪が降らないうちに。でも、ホールが取れなかった。土日はクリスマスまですべて予約済み。まさか年末や正月そうそうってわけにも行かないから、2月の豪雪が来る前の1月中旬にやるしかないってことになった。なんせ、シニア団のジョイント公演はある、コント大会はある。シニア演劇学校公演はあるで、菜の花座本体の公演は4月以来なんだ、なんとしたって新たな舞台ぶたないわけにいかんじゃないか。

 今年は例を見ない早期の豪雪。12月半ばで家がすっぽり埋まるなんてなかったよなぁぁ。12月でなくてかえって良かったかもしれない。って今は気楽に構えていられるけど、1月だってこの調子じゃ?????

 と、公演も危うい状況だけど、稽古はこつこつ続けている。昨晩は、通しで音取りをした。一通りせりふチェックも終わったので、演出の指示にしたがって台本を読み、録音するのだ。なんのため?せりふを覚えるため!焼いてたCDは役者全員に配られる。それを家で車で四六時中聞きながらせりふを覚えるって方法。これ、シニアグループの練習から始まった。台本読んだだけではせりふが入らないシニアたち、これならいつでも相手と稽古できるといつしか恒例になった。せりふの入りの悪い菜の花座若手にとっても必要だろ、ってことで音取りした。

 2時間ほどかけてすべてのシーンをラジオドラマよろしく録音した。僕はただひたすら聞き役。いや、舞台装置考えながらだったけど。

 で、終わって一言。おもしろくない!ずばっと言っちゃったよ。役者、一人として合格者なし!なんだって台本の意図つかめないんだよ。なんだってギャグのタイミング外すんだよ。なんたって役柄作れないんだよ。聞いていていらいらしてしまった。今回が2回目、3回目のシニアはともかく、菜の花座はえぬきのメンバーがこれじゃぁ、・・・・

 前回の『山棲』もそうだったけど、このところ役者の持ち味を無視して台本を書くようになってきた。それが効いてるんだよな。アマチュアは役の引き出しがきわめて乏しい。どうしても自分の演技にはめて役を作ってしまう。声の出し方、せりふの回し方、表情の作り方、当人は気付かない癖ってやつが染み込んでるんだ。だから、そこからはずれた役所を要求されると、途端に手も足も出なくなってしまう。いや、そんなこと無視して出来た気で知らんぷりすることもできないわけじゃないけど、そこはやっぱり菜の花座、それはないでしょ!役者だって意地がある。僕も許せない。

 ここが踏ん張りどころなんだと思う。できない!わからない!迷いとまどい、悩み苦しんで役をさぐる。せりふをさがす。僕は何度でもダメを出す。違う言い方、別の演技、違う!ダメだ!やり直し!どこまでも役者を追い込んでいく。辛くて泣きを入れる役者。呆然と立ちつくす役者。なんで?とくってかかりたい役者。物投げたりはしないけど、冷たく、どこまでも冷徹にダメだしを続けるんだ。そして、そんな押し合いへし合いの数ヶ月、役者たちはようやく役を自分のものにする。

 このお定まりの熟成期間がどうしても必要なんだ、菜の花座の役者たちには。そうやって新しいものを手にしていく。そうやってまた一つ引き出しを増やし行く。それが役者修業ってもんなんだ。今回は役を煮詰める時間が乏しい。それだけ、こっちも真剣勝負をしなくちゃいけない。果たして本番できるかどうかもわからないが、それでも稽古は続ける、当然だ。役者の成長のために。菜の花座の力量を高めるために。

 
コメント
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