薪、欲しいさぁ、それは。喉から手が出る、って古典的表現も大げさじゃないくらい、欲しい。薪あるぞ、持ってくか?って声が掛かれば、揉み手擦り手でもらいに行く。春先にゃ、仕事納めした果樹園からリンゴとラ・フランスの伐採木を大量にいただいた。米沢の河川支障木の配布にも、諦めず何度も電話を繰り返し、軽トラ1台分ゲットした。もちろん、貰い物で一冬過ごせるわけはないが、少しでも購入費用は抑えたい。
が、ブドウ園の剪定枝となると、ちょっと待て!と黄色信号が灯る。ブドウの枝は、何故か燃えにくいんだ。水分が多いか?だといすりゃよおくと乾かせばいいはずなんだが、2年おいても火つきが思わしくない。しかも、細いので火力の方もいまいちだ。同じ植物繊維の固まりのはずなのに、木によって、火つきや火持ちが異なる、不思議だが厳然たる事実だ。
道路傍にまとめたから、持ってってくれ、と声を掛けられた。瞬時ためらったのはそんな理由からだ。が、次の瞬間、ああ、貰う、と愛想よく返答していた。きっと、向こうも持て余してんだ、そこらに放置して病気の巣にしたくないし、最近は野焼きは禁止、煙が上がればすぐ消防が飛んでくる。果樹園にとって、剪定で出た枝は幹は厄介ものなのだ。と、なると薪ストーブのある家、ってことで、彼らも期待してくるわけなのだ。
まっ、頼まれりゃ嫌とは言えないたちだし、どんな火付きが悪いって言ったって、燃えないってわけじゃないから、2,3年もじっくり積んでおいて細かくすりゃ焚き付けくらいにゃなめだろう。ちょうど今年から購入している薪材は燃え付きがすこぶる悪い。焚き付けはいくらあってもいい。そんなこちらの事情もあって、有難く?いただくことにした。
剪定の枝だから、大した量じゃないが、ブドウ園は2か所、トラックで3往復必要だった。なんせブドウだ、くにゃらくにゃらと曲がっている。きれいに重ねるってわけにいかない。運ぶ方にとっちゃこれも厄介だ。途中から氷雨は降り始めるし、枝はあちこち絡まるし、ほんのちょっぴり後悔しながら、運び終えた。
また、来年も出っから、よろしくな!おっと、そう来るか、それはぁぁぁぁぁ、・・・仕方ねえなぁ、毒を食らわば皿までもだ、って違うか意味が。