「海上自衛隊第5航空群司令部(那覇市)は30日、昨年6~7月、18歳未満の少女にみだらな行為をし、わいせつな動画を作成したとして、第5整備補給隊の海士長(22)を停職4カ月の懲戒処分にしたと発表した。」沖縄タイムス/www.okinawatimes.co.jp/articles/gallery/1462653
今度は自衛隊員だ。戦争という暴力は、性暴力と隣り合わせだってことがまた示されてしまった。
今月24日上演予定の菜の花座『蒼き森の館』はかつての戦争にまつわる暗くやり切れない出来事を取り上げた。
勝者による集団暴行、従軍慰安婦などは、過去の忌まわしい暗部と見做されて来たが、ウクライナで、パレスチナで、壮絶な破壊とともに、性暴力は今に生きる問題であることが突きつけられた。
他の国の話しばかりではないという現実を突きつけられたのが、沖縄における米軍兵士による性暴力事件だった。
そして、さらに、国民を守るべき自衛隊員による暴行とその後の卑劣な行いが明らかになった。
菜の花座の拙い実力で取り組むには大きすぎる課題であることは十分承知している。それでもなお、何度でも自分たちの、観客の脳裏に残し続けることが必要なんだとの思いからこの辛い舞台に挑戦することにした。
ここに当日配布するパンフレットの挨拶文を載せてみた。
本来なら、プログラムの挨拶文など、公演当日、観客の皆様に読んでいただくものだが、出来うれば、この文に触れたことにより、一人でも二人でも舞台を見て下さる人がいれば、考えるきっかけともなればとの思いから、事前に掲載することにした。
『蒼き森の奥から現れるのは』
作・演出 河原俊雄
まず、言うまでもなく、この舞台はフィクションだ。
厳密に過去を探れば、見当たらぬ出来事だ。
でも、間違いなくあった話し、今もある話し、この先もきっとあるだろう話しなのだ。
沖縄を見れば頷かれること。
戦争がもたらす数多くの残酷、その一つ、それが性にまつわる暴虐。
平和な世にあっても女たちへの狂暴な制圧はとめどない。まして、戦時ともなれば一切の歯止めは外れ、男たちは凶悪な野獣へと変身し、ぎらつく目で獲物を探し求める。
勝利者の一方的な要求の前に、敗残の男たちは頭を垂れ、膝を屈して、卑屈な笑みをたたえつつ生贄を貢ぐ。
村は自らを守るために、手を結び、弱き者を探し出し、村を守ることに没頭する。
犠牲になるのは、力弱気者たち、はみ出した者たち、差別される者たち。
そんな理不尽が深く蒼い森の奥で繰り返されてきたのだ、幾度となく、人の歴史ある限り。
憂鬱でやり切れない物語をどうしたらエンターテインメントに仕上げられるか、今日の舞台はそんな無謀な試みの一つに過ぎない。
劇団菜の花座第55回公演『蒼き森の館』
11月24日13時30分開演
川西町フレンドリープラザ
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