台本に集中して1カ月!って威張れるほどのもんじゃないんだ。昼間は農作業、夜はネトフリ映画、合間はネットで遊んだり、って、おい、いつ書くんだよ?!
まっ、自分なりに取っ組んで、どうにか書き上げた。ランナーズハイ、ならぬライターズハイてのがあって、書いてる最中、特に終盤に差し掛かると、いいぜ、いいぜ!面白い!最高じゃん!気合も乗って、作品にも自信ムラムラになるんだ。
高揚感の絶頂で最後の仕上げを済ませ、いざメンバーでの台本読み。
一気に叩き潰されるんだ、興奮も喜色満面も。パンパンに膨らんだ風船に無惨な針の一刺し!
えっ、なに、これ面白くない?意味、分からない?ギャグ滑ってる?ダンス曲、気に入らない?面と向かって指摘されるわけじゃない。あからさまな不機嫌をぶつけられるわけでもない。書き直しの要求なんてくるはずもない。皆が待っていてくれたのは間違いないし、新しい役に向き合おうとしてるのもよくわかる。
じゃぁ、なんだ?この意気消沈は。
思うに、ギャップ!なんだよな。ここまで1カ月、いや、資料読みの時間も加えればほぼ半年、大正の女たちの周囲をうろついて来た。彼女たちの願いやひたむきや絶望や、たくさんの人生とともに歩んできた。どうしたって、思いは濃密なんだぜ。
背景を支える時代についての知識も、大きく開いてしまっている。矯風会と言っても、からゆきさんと話しても、それはただの言葉、実態も浮かばなけりゃ、感情も湧き上がって来ない。当然のことだ。
女性への差別とか、婦人参政権とか、ミーツ―とか、興味ないのかもしれない。彼らには、もっと別に表現したい世界があるのかもしれない。向かう方向もずれているのかもしれない。そんな不安がじわじわと影のように這い上がってくるのだ。
じゃぁ、どうする?
開き直るしかないだろ!もはや、賽は投げられた。列車は駅を離れた。ショーマストゴーオン!だぜ。船に乗り合わせたみんな、諦めてもらおうか!目指す港、俺には見えてる。失望はさせない。到達する新天地に、きっと満足するはずだ。舵取りは任せてくれ。ただ、黙々と櫂を漕いでくれ。
そして、大正の女たちが託したものを客席に手渡そうぜ!
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