ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

NHK見直した!ってNHK+で『いちげき』見たんだが・・・

2023-01-10 11:36:20 | テレビ
正月3日に放送された時代劇『いちげき』、

見逃したんでNHK+で見た。
いゃぁぁ、いいねぇ、NHK!見逃しても後追い可能!ご立派、って書きたかったからって気持ちもあったんだ。もっとも今じゃTverもあるからNHKに限らんけどね。
年末、でもないか、でも12月中、に放送された『忠臣蔵狂詩曲NO5 中村仲蔵出世階段(しっゅせのきざはし)』

これ録画してあったの見て、わっわっ、すげえぞこいつ!っていたく感動したから、『いちげき』の方もさぞや楽しませてくれるに違いない!って確信しつつNHK+漁ったんだ。宮藤官九郎の脚本だってことだし、ネット記事で「衝撃的な作品!」とかって大絶賛してたこともあってさ。
尊敬する宮藤官九郎の台本だけあって、突如飛び出す今風言葉やあっと驚く勝海舟や相楽総三のカリカチュアなんかに、うん、さすが官九郎だって感じ入りつつ見ていたんだ。が、どうも、違和感のしこりがじわじわと大きくなっていって、わっ、痛快!とか、さすがの展開、とか、非正規侍を取り出す時代感覚の鋭さお見事!と感じ入る一方で、なんか違うんじゃねえの?見終わった時には、礼賛のほとぼりも冷めてしまった。
うーん、この後味の悪さはなんだ?
まず思いついたのが、非正規暗殺集団に仕立て上げられる百姓たちの描き方だ。無知で臆病でドジでへいこらしてて、って如何にも紋切型でカッコ悪いってことだぜ。幕末のこの時代、百姓ってこんなんもんじゃないだろ。新選組の近藤、土方、はじめ、長州の奇兵隊も百姓多数だし、10年後に戦われた西南戦争じゃ、平民上がりの軍隊が薩摩の武士団圧倒したしな。なんて、史実を持ち出す野暮はしない。
この無知、どじ、臆病連中が侍憎しの一念で薩摩浪人と対等に渡り合えるようになっていく、ってこの作り方だよな、なんかありきたりでしらけるのは。
武士階級と虐げられる百姓って階級対立の構図が、いつの間にか、妹を虐待された怒りと、弟分あるいは男色相手?を殺された薩摩の強面との復讐戦にすり替わってしまってるのも、それって、見る側を駆り立てるのに楽なんだよなって見切れてしまった。だめだよ、安易だぜ。
最後の総攻撃仕掛けて、この暗殺集団「一撃隊」は全滅だ、どう贔屓目に見ても生き残れるのは主人公一人がいいとこだろ、って思ってたら、なんとほぼ全員生き延びてた!えっ、それってお正月番組ならではのご祝儀ってこと?
さらに、隊を指導した新選組上がりの武士は、ひょうひょうと去る。それはいい、きっと彰義隊に加わるか函館五稜郭の闘いにはせ参じるのだろう、と、見送つていたら、なんと、その後を隊中紅一点のキクが道行さながら追うんだぜ。
さらにさらに、大量に薩摩浪士を殺した主人公は村への帰り道、道を尋ねた村人に差していた刀をやって、「要らなくなったものは捨てりゃいいんだ」って晴れやかに言い放つんだ!
うぉーっ!そりゃたしかに、武士の世が終わり、維新の新しい時代が待ち受けちゃいるんだが、このあっけらかんとした明るさは何よ。
正月番組はおめでたくお開きしなくっちゃ、なんて考えてるとしたら、そりゃあまりにも頭の方がおめでたいっていうもんだぜ。
『仲蔵・・・』についちゃ、いつか書きたいが、今、ホームページ見てみたら、文化庁芸術祭テレビドラマ部門大賞受賞だってよ。
たろう、だろうの納得だぜ。


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