ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

装置作りで幸せを感じる。

2007-06-17 20:32:45 | 演劇

 今日は装置作りだった。いやいや、装置さんや舞台監督さんは、もう、ずっと前から取り組んでくれていました。僕は置農演劇部の定期公演と田んぼの仕事が忙しく今日が初仕事。カンベン!

 どこの劇団も苦心する装置製作場所だが、菜の花座では、小松の町から犬川を車で20分ほど遡った玉庭地区にある置農の旧分校舎を借りて行っている。かつて柔道場だった部屋に装置や道具を置き、体育館で作業を行う。パネルなど一気に広げて同時進行でいくつもの作業ができるので大変好都合だ。

 さて、仕事の進み具合を見ての印象、その一。装置作り、上手になったよなー、ってこと。パネルがゆがんでいて合わせると隙間だらけなんて昔が嘘のよう。なんせ、プラザ演劇学校では装置の作り方はまったく教わらなかったんだから、いやあ、最初は手探りどころか、行き当たりばったり思いつきでひどいものだった。それから10年、そりゃ上手くなるよな。一人一人が、自分の担当分をしっかり理解して着々と仕事を進めていた。

 次の印象。劇団っていいよなあ!ってこと。18歳の若者から60歳間近の熟年までが、一緒になって作業する風景って、仕事場を除けばそうはないよ。いろんな趣味のグループ見ても、だいたい同年代が集まってるものね。若者のエネルギーと年寄りの経験が一つになって一つの舞台を作り上げる。しかも、お互いが同等だ。それぞれが自分のできること、得意なことを黙々と、おっと、これは違った、賑やかにおしゃべりを楽しみながら和気藹々とやっている。いい光景だ。

 印象その三。今回は美術担当のメグミが初めて菜の花座に加わった。今日は朽ちかけた壁の彩色を担当してもらったけど、やはりいいんだよ。汚しをかけてもらったら、あっという間に、荒れた屋敷の崩れかけた塀が仕上がった。彼女の仕上げてくれたポスター・チラシなんて、菜の花座の芝居より人気が高いみたい。

 てことで、午前中の除草機押しでそうとう疲れてたけど、気持ちよく作業できた一日だった。ちなみに、僕が担当したのは、小さな祠。まったくなんて面倒な装置要求するんだよ、書いた奴誰だ?ってその犯人は僕なんだけどね。たくさんある舞台装置、これもチンドン屋負けず劣らず今回の公演の見所だから、よろしく!

 

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演劇部なら出なくっちゃ!

2007-06-15 23:33:05 | 演劇

 以前、全国大会で最優秀を取った高校の舞台と舞台裏を見たことがあった。舞台袖、制服姿の高校生が20人ほど、机と椅子を抱えて出番を待っていた。ははーん、教室ものだな。賑やかな教室風景が見られるな、って思って客席に移った。

 幕が上がって10分。うん?3人しか出てこないぞ?残りの生徒達はいつ出るの?不思議に思いつつ音響席を見ると、な、な、なんと!音響卓の後ろにぞろりと制服高校生7、8人!さっき机運んでたのは、出演者じゃなかったんだ。道具の搬入の生徒達だったんだ。

 どう見ても20人以上はいたよな。ってことは、そのほとんどが裏方!?おいおい、本当か?きっと、舞台袖にもぞろぞろいるんだろうな。照明の調光室にも。音響席にあんなに座って何するっていうの?卓をいじれるのはせいぜい二人だよ。だって、手だって届かないもの。舞台装置も道具類もまるで動きはない。きっと、舞台袖のスタッフもただひたすらじっと見守ってるだけなんだろうな。

 たった3人のキャストを20人近いスタッフが支える。やれやれ、なんちゅう劇だ。途端に興味半減。プロの芝居なら有りだろうけど、高校演劇部でそれはないよ、ってのが僕の感想だ。だってそうじゃないか。やることほとんど無いんだぜ、一部のスタッフを除けば!本番でこの状態ってことは、この芝居作る何ヶ月間も同じように、大部分の部員がお茶っぴき状態だったんだ。たった数人が稽古して裏方して、残り大多数はやることがない!ただ見つめるしか仕事のない十数人。その気持ち考えて暗くなっちまった。せめて仕事ぐらい与えてやれよ。

 僕は、生徒を極力舞台に立たせたいって思ってる。必要最小限のスタッフを確保したら、後は残り全員舞台に出す。必ずそういう脚本を選ぶ。絶対そのように台本を書く。

 こんなことにこだわるから、大会は勝ち抜けない。そりゃそうさ。上手い奴らだけで作ってた方が質も上がるし、評価だって高いだろう。でもね、高校演劇は勝つことだけが目的じゃないんだよ。出してやらなくちゃ!役付けてやらなくちゃ!セリフ上げなくちゃ!舞台に立ちたくて集まってきた連中なんだよ。それを実質仕事もないのにスタッフにしとける?下手でもいいんだよ。訛りあってもいいんだよ。ともかく、出そう、舞台に!

 舞台が技術を向上させるんだ。舞台が人を育てるの。で、高校演劇は部活動だから。活動を通した人間形成の場なんだから。だから、僕の芝居は常にキャスト盛りだくさんでスタッフ手薄の舞台になる。

 さて、現在断続的に公演中の食育ミュージカル『”いただきます”見つけた!』。これ3月に上級生だけで作ったから、新しく入った一年生はほとんど仕事がない。この先、まだ、6回も公演するってのに、(あっ、ちなみに同じ芝居10回公演するなんて、高校新記録じゃないかな?)手持ちぶさたを続けさせられないね。そんなことしたら、一年生腐っちまうよ。かと言って、10人も一気に役作れないしね。う~ん、と悩んだ末にいいこと思いついた。5人ずつ二チームにわけて、交代で出演させればいいんだ。

 と言うことで、ゴキブリ見習い0号と00号を追加し、さらに、きなっ粉と味噌っかすとドーナツドウダスってキャラクターを作ることにした。これをそれぞれ二人に割り振って、交互に出す。いいねえ、なかなかのアイディアだ。競い合えば伸びるしね。よし、子どもミュージカル残り6回の公演はこれで行こう。

 で、次は大会用台本だ。こっちはAチーム、Bチームってわけにはいかない。必要なスタッフ最小限、舞監、副舞監、照明調光2人、音響2人、ピン2人、計8名。現在部員25名だから、えーと、25-8は、・・・

 ええーっ!17人?おいおい、嘘だろ?17人もどうやって役作るっていうの?あーあ、とんでもないこと宣言しちまったもんだ。どうする?どうする?

 

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さおりのチンドンデビュー

2007-06-13 22:07:57 | アート・文化

 てぎませんよー!カンベンしてくださいよー!と泣きに泣いたさおりがチンドンデビューした。町の商業組合主催のさなぶり大会だ。

 ともかく一曲でいいから頑張れと、半ば励まし、半ば脅しをかけながら、迎えた本番だった。オレンジ色の着物で着飾ったさおりは、なかなかにチンドン娘じゃないか。テンポがゆったりして易しい美しき天然だけを集中して練習してきた。それしかできない。

 始まる前から、う~ん腹が痛い!神経性胃腸炎だ~!などと叫びながらも、諦めたのか、素直に列に加わった。間違っても目立たないように、メロディを見失わないように、アルトサックスを吹く僕のすぐ前に入れた。いや、僕だって怪しいんだけどね。

 会場はフレンドリープラザの駐車場。周囲にテントが張り巡らされて屋台が並ぶ。その真ん中にテーブルがしつらえられて、これが客席だ。多いぞ、お客さん!二三百人はいるんじゃないか。メンバーはチンドン太鼓のエモッチ、アコーデオンのユキエちゃん、大太鼓のエミ、アルトサックスの僕そしてクラリネットのさおりだ。おっと、それにチラシ配りのミホさん、ヤシマさん、ナオミと、総勢8人。なかなかににぎにぎしい。トレーラーの舞台前に整列してまずは恒例、ミホさんの口上を済ませ、いよいよ演奏開始。練り歩きの始まり始まり!

 さて、さおりだ。ガチガチの緊張感が伝わってくる。たって、こっちだってこの観客じゃひびるけど。おおーっ、いいじゃないか、うまいいじゃないか。とても、ずぶの初心者とは思えない。途中、二度ほど、ピーっと時ならぬ悲鳴をあげたが、まずは無難に演奏し終えた。

 よく頑張った!何人もいる若手劇団員の中で、唯一クラリネットを押しつけられたさおりだったが、泣き泣きよくここまでたどり着いた。偉い!立派だ。もう、とことん褒めてやりたい。これぞ、役者魂ってもんだよ。自分の苦手なものには、無理って逃げるようなのは、役者とは言えない。下手なりに挑戦するって姿勢、いいよなあ。一人芝居ではゴキブリホイホイに捕まってもがき苦しむゴキブリってのをさせたり、それっていじめ?って責められそうな使い方だけど、こうやって、結局はし遂げてくれるから、こんな役者は本当に大切なんだ。いつかきっと、素晴らしい役を書いてあげるからね。

 さて、僕としては二度目のチンドン舞台。こいつは、反省点多々あり、だな。まず音がまるで小さい。回りに建物がまったく無いからね、跳ね返って来ないんだ。これにゃ参った!精一杯吹きまくったけど、音量に気を取られると、指を間違える。太鼓の音もよく聞こえない。なんか、メンバー一人一人が孤立してるみたいで心細いことこの上ない。それと、大太鼓が前回と代わったのに、十分合わせて来なかった。酒の入った客は口も悪い。元気ねーぞーとか、暗いぞーとか、もっと明るい曲やれとかの励まし?がさかんに飛ぶ。

 なんとかかんとか、20分のステージを終えた。うーん、深い!客との駆け引き、会場の雰囲気、会場の音環境その他、気配りしなきゃならないことがたくさんあるってことに気付かせてもらった舞台だった。

 次回は、芝居『おもかげチャンチキ』の宣伝のためにスーパーの入り口でやることにした。その次は、玉庭地区のお祭りの余興。一回一回こなしながら、上手くなって行く、んだよね?多分。

 

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見て欲しかった!定期公演!!

2007-06-10 00:45:01 | 演劇

 いやあ~見て欲しかったなぁ!置農演劇部定期公演『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』(作:横内謙介・演出:河原俊雄)良い出来だったんだよ。主役の二人、王様と道化、よくぞ覚えたもんだよあの長くてたくさんのセリフ、そして見事にその複雑な役柄を演じきった。その他の役者も力を出し切ってお互いに力のある言葉のやりとりに成功していた。スタッフもわずか一日のリハーサルなのに、僕の過大な要求をまずまず無難にこなしてくれた。

 それにしても、客が少ないよなあ!昼・夜二回の公演で150名だもの。見た人は大方、良かった、このまま終わるのもったいない、高校生とは思えない、って言ってくれるんだけど、如何せん!150だ、あ~あ!!理由はいろいろあるよ。川西だもんなあとか、置農生って、演劇みないものなあとか、宣伝まで心配り出来なかったしなあとか。

 でも、一番の原因はネームバリューってことだと思う。まず最初は、なに?高校生?たかが知れてるねって奴。どうしてそう決めつけるんだろう?スポーツだったら、高校生から第一級ってこといくらだってあるのに。ハンカチ王子やマー君だって、イタリアに渡ったサッカーの森本だって。いや、置農がそうだとは言わない。たしかにレベルが違う。演劇とスポーツの違いってこともある。でも、巷で思いこまれているほど、高校生の力って低くはない。演劇でだってそうだ。

 たしかに、いい加減にしろよって感じの自己満足・自己陶酔の舞台もある。でも、びっくりするような輝きを放つ舞台もたくさんあるんだ。地道にしっかりと仕上げられた作品、心を打つ素晴らしい芝居も数多く演じられている。なのに、高校生ってことだけで、もう初めから相手にされない。これが日本だよ。これが現在なんだよ。これが、文化的貧困って奴なんだよ。

 次に、まっ、置農だから、って奴。農業高校、あっそう、農作業してろよ、なんて思ってないか?演劇?柄じゃねえよ、って決めつけていないか?演劇の才能って学力とはまるで関係ないんだぜ。なまじっかのくだらない先入観とか、自惚れとかが無いだけ、ずっとストレートに芝居に入って行けるってこともあるんだ。

 世の中ともかくネームバリューなんだ。6,7月のフレンドリープラザの催し物でも、東儀秀樹はどかどか売れてるのに、音楽座のミュージカル『アイ ラブ 坊ちゃん』はちょぼちょぼなんだそうだ。東儀さんがつまらないってことじゃない。音楽座があれだけの質を持っていながら、伸び悩んでるってことのやりきれなさなんだ、まったくもう!理由はただ一つ、ネームバリュー!

 この通俗性をどう打ち破るか、ここに日本の文化の大きな課題があるよなぁ。要するに、テレビの影響力からいかに人々を解き放つかって問題なんだよ。これを解決しないことには、地方の文化なんて、絶対育ちっこない。置農の公演にも観客は集まらない。おいおい、なんか、すり替えてないか?

 ただ、今日の救いは、フレンドリープラザ館長の阿部さんが、舞台を見てくれて、観客が少なくてもったいない、次回は私たちも努力しますって言ってくれたことだね。まずは、会館の側が、地域の力を伸ばしていこうって視点に立ってくれたってことが何より大切だと思う。

 今回の置農演劇部、技術や力量では、プロや都会劇団に到底敵うものじゃないけれど、そこに込めた思い、ひたむきな姿、一途な勢いは決して引けをとるものじゃない。もちろん、面白さっていう点でも、そこそこだったと思う。菜の花座も含めてこういった地域の力を伸ばすことなく、地域の時代ないて決してこないと思うんだけど、どうだろう?

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またまた!また!!キャスト変更

2007-06-07 23:55:05 | 演劇

 もう!どうして菜の花座はこうなんだろ?またもやキャスト変更だよ。せっかくその娘のために書いた、とっておきの役だっていうのに、あ~あ、親の心知らずだ!えっ、座長って親なんか?まあ、若いってことは、激情に翻弄されるってことだから、、芝居どころじゃないって時もあるんだろうけど、キャンセルされるこちらも相当辛いもんがあるよ。

 まあ、菜の花座じゃあ、キャストの変更は付きものだから、それほどあたふたしたりはしないんだけど。今回も、穴の開いた高校生役を若手のエミがカバーして、エミの二役を舞監のクーちゃんが入ることにした。二人とも不満はあったようだけど、ぐっと堪えて引きうけてくれた。ありがとう!

 思えば、旗揚げ以来ずっとこうだ。いざ稽古を始めて見ると、やれ、今回は都合がつかないだの、この公演休みますだの、退団しますだの、必ず人が欠けるんだ。一時などは、主役が見あたらなくて、できそうな人を見込んで説得に次ぐ説得で口説き落としたことさえあった。だから、菜の花座は現在団員の少ない割に、過去舞台に上がった人の数は異様に多い。

 まったく、よくぞここまで公演を重ねてこれたものだと思う。それも、だれでもいいからともかくやっちまえではなくて、それなりにふさわしい役者を揃えつつ、一定の水準を保ち続けられたのだから、これは立派だよ。って、また、手前褒めだ。

 やっぱり、人に恵まれてたんだと思う。不思議と欠けた人の代役が見つかったものだもの。それと、その人の持ち味を見抜く力があったってことと、絶対作るんだっていう固い決意があったってこともあるかな。やれやれ、またもや自惚れだ。でも、ほんと、ずぶの素人を抜擢して主役させた時だってあったからね。今思えば冷や汗!でも、これがまた、実にはまり役で、・・・おっと、今回も初出演で主役のツヨシがいたんだっけ。

 だから、今回のごときごだごたなど取るに足らないって、強がって乗りきるしかないね。もっとも、そのお陰で、舞監の後釜で新人ノマキコが力を発揮しつつあるから、こんなつまづきも結構大切なことなのかもしれない。どっちにしても、これがアマチュア劇団だから。このじたばたが、アマチュア劇団ってものだから。腹括って引きうけるしかないよな。

 ああ、でも、いつか、しっかり固定したメンバーでじっくり舞台作ってみたものだよなぁ。

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