県大会へ出発まで残り3日。今はとことん直しを入れつつ毎日通しで締めくくっている。ゲネプロで61分を超えてしまったので、かなり焦ってせりふを削った。時間オーバーで失格!これだけは絶対に避けたい。そのために出来る限りの手だてを講じておくのは、これはもう完全に顧問の責任だ。
せりふの間を計り、削れるせりふは極力削り、場転の時間短縮に励ませ、最後の手段はショートカットバージョンを準備する。これくらいのことは指導者が目先を利かせてやってあげなくちゃいけない。だから、部員が気持ちよく引っ張ってたから時間オーバーで失格しちゃったなんて話しを聞くと、それ生徒のせいじゃないから!ってつっこみたくなる。何回やったってほとんど同じ時間で終われるよう稽古を重ねるのが筋だし、もしも不安定な仕上がりなら、短縮バージョンを準備するなどしなくちゃいけないんだと思う。
だから、上演時間にはことのほか神経を使う。で、今回もリハーサルの翌日には十カ所以上のせりふカットを提案した。ちょっと実態とちがうかな?はい、ここカット、これもね、ああ、こっちも諦めて、って具合だから。切られる役の生徒の気持ち考えると、じくじくするところはあるんだけど、こればかりは仕方ない。
せりふのテンポも気になっていた。どうももったらもったらしていて、切れ味が足りない。特に主役二人は滑舌に難があるので、これを徹底的に矯正した。あと、やたらとせりふを切る悪いクセを徹底的に排除。間は大切だけど、それは本当に必要な間の話し。のべつ幕無し引っ張られたら、時間は喰うは、テンポはたるいは、印象はぼけるはでいいことなんかない。生徒に任せると往々にして、そんなやたら間延びした芝居を作りがちになる。
昨日、今日と部分稽古をぎりぎり締め上げて、こちらの意識がかなり徹底してきた。で、通してみたら、なんと57分にまで短くなっちゃった。3日間ともそれ前後なので、これでほぼ演技が固まってきたってことかな。まあ、実際は場転の時間も、舞台の広さから来る時間ロスもあるから、ブラス1分30秒とみて、58分30秒これじゃもったいない。後2分近くもある。ってことで、一端削ったせりふを復活したり、見せ場での間をじっくりと取るよう指導した。
結局せりふカットによる時間短縮の効果より、せりふのテンポや間の圧縮の方がよほど効果的はだったってことだ。やっぱり、舞台は水もの流れるものなんだよな。ちょっと石ころどけてやったり、流れをまっすぐに整えたりするだけで、流れは大きく違ってくる。時に急流を流れ下り、時にゆったりとたゆたう、そんな緩急自在の舞台、それがやはり目標ってことなんだ。