金曜日スポーツ紙を見ていた。オリンピックだなあと思いながら、いろいろ考えた。出場選手名簿に目が行った。
…あれ、公務員がいる。
バンクーバー五輪代表の中に、所属が公務員組織の人が複数いた。こまかいことがわからないので、JOCのサイトで調べてみた。
バイアスロン代表男女各1名は、両方とも「陸上自衛隊冬戦教」の所属である。まあこの競技は、一般人はそもそもまず参加する可能性がないものだから、当然といえば当然である。
冬戦教は、正式には冬季戦技教育隊という北海道札幌市の真駒内駐屯地に駐屯する、陸上自衛隊北部方面隊直轄の教育隊。唯一の冬季専門部隊。元々は対ソの特殊教育をしていたところのようだ。この人たちは、思いっきり国家公務員(自衛官)である。
市職員もいた。
カーリング代表女子1名が、青森市役所所属青森市文化スポーツ振興公社所属とJOCのサイトには出ていた。チームサイトを見ると、青森市役所所属と書いてあった。市職員で公社に出向中ということなのかもしれない。出向中だとすると、公社職員である。
また、クロスカントリー代表男子1名が、岐阜県体育協会所属。ボブスレー代表男子1名が、鳥取県体育協会所属である。体協は財団法人なので、公務員ではないが、きわめて公務員的・公共企業体や学校教育と親和性の高い存在だと思う。少なくとも民間企業とはいいにくい存在だ。
漠然と思った。自衛官の2人、カーリングの1人、服務はどうなっているのかなって。
公務員組織に所属する職員は、正当な理由・手続きなしに職場・職務を離れることは許されない。職務専念義務がある。まあ、用語は違うけど、民間企業と何ら変わりはない。選手たちは、まさか年休(年次有給休暇)取ってバンクーバーへということはないだろう。国代表で、派遣費用にJOCのお金(元はといえば公金)が使われているのだから。じゃあ、出張かというと、そうでもないような気がする。出張にしたら、旅費(交通費・滞在費)は所属団体が普通は支払うことになる。これはない。となると、職専免(職務専念義務免除)となるのかな。これらな職場を離れる正当な手続きだ。ただ、自衛官の2人は、バイアスロン競技をすること自体が本来業務とされていれば、バンクーバー行きも普通の職務扱いなのかもしれない。旅費先方(JOC)負担の出張かもしれない。
…職業病だ。
髙木美帆選手のこと。
もう一つ。スピードスケートの髙木美帆選手。彼女はまだ15歳、札内中学校3年生、当然だけど義務教育である。学校は公立中学校。出席はどうしているのだろう。
…これも職業病だなあ。
過去1度だけ、自分の勤務校でオリンピック選手がいた。また、野球選手としてかなりの評価を受け、後にプロ入りした選手も1人いた。スポーツ選手が試合などで学校を欠席する場合、まあだいたいどこの学校でも、公欠と呼ばれる扱いをする。部活動で試合に出場する場合は、学校にいなくても欠席にはしないのである。ただ、これも、高校ならば高体連(高校体育連盟)・高野連等の公式戦のみに許される扱いである。とかく噂のある私学の野球強豪校のように、午後から部活動というようなことはない。だからオリンピックや高校野球の海外派遣なんて、普通の公立高校には公欠の前提としてあり得ないのだ。前者のオリンピック派遣時、後者の台湾(だったかな)遠征時、いずれも過去に前例がないので、それぞれ出席の扱いをわざわざ職員会議で審議したことがあった。県内の試合ならば、当日のみでもかまわないが、海外に出すとなると、前後もかなり学校に来れなくなる。もちろんOKになったけど、かなり長期で、ビックリした記憶がある。
髙木選手も同じ扱いになっているとは思うけど、義務教育中だから、やっぱり手続きは遺漏ないように、気を遣ったんだろうなあ。そんなことを考えた。
日本選手の健闘を祈って、今日からTVで応援だ。