福岡シンフォニーホールでクラウディオ・シモーネ指揮のコンサートがありました。
同団の設立者であり、指揮者であり、音楽学者でもあるシモーネ率いるヴェネツィア合奏団《イ・ソリスティ・ヴェネティ》は、世界的にも有名で、ザルツブルグ音楽祭には毎年招聘されているとか。
端正な顔立ち、優しい表情、親しみやすい人柄で、観客を引き込む魅力は演奏にも表れていました。
バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、チェンバロで演奏されるヴィヴァルディの「四季」は澄み切った音で、特にピアニッシモの美しさが印象に残りました。
「春」の明るさ、「夏」のけだるさ、「秋」の躍動感、「冬」の静けさと、聴いていて分かりやすく、クラシック音楽を聴くには「四季」から・・・と、よく耳にする由縁はここにあるのかも知れません。シモーネによれば、ティエポロ、ヴェロネーゼ、カナレットなどの画家の作品や建築に親しみ、深く吸収して、ヴィヴァルディと同時代の人を知り、楽器の音色を、彼らの魅惑的な世界に近づける努力が大事だとか。
絵と音楽は、やはり密接な関係があるようです。私には、一足早い素敵なクリスマスコンサートでした。