富貴寺から宇佐神宮に向かう途中にエコハウス「徳六の風舎」に立ち寄りました。環境省エコハウスモデル事業の一環で、この家の設計の趣旨は、I(アイ)ターン夫婦が、田舎で自然エネルギーを活用し、エアコンなどの機器に頼らずに夏を過ごせる住まいを目指したもので、まさに「自立循環型省エネ住宅」です。
外気を通風という形で積極的に取り入れ、日本古来のずっしり分厚い土壁と懐かしい土間で畜熱効果を狙い、パイプを使った24時間換気設備で床下暖房の効果も計算されています。
換気用のパイプが目立たないように押し入れの中にありました。薪ストーブで暖まった上部の空気をパイプで取り入れて床下に送るようになっています。
和室の板張りの部分には、床下の風を取り入れるための穴がデザインされており、天井は板と竹の二段になっていて、夏の暑を和らげています。この夏はどうにかクーラーなしでしのげたそうです。洗面所もすべて天然木です。
太陽熱利用の給湯システムでエネルギー消費削減がされていますが、もちろん補助熱源の電気温水器が取り付けられています。なによりも窓からの景観がすばらしく極上の入浴タイムが得られそうです。
最近は生産効率の良いプレハブ工法を見慣れているので、木と土を活かした手作りのこだわりがとても印象的で、人の温もりが伝わってくる家でした。
仕事も子育ても終了した夫婦が、余分なものをそぎ落としてこのような環境で再スタートすれば、人間らしい新鮮な生活の一歩が始まりそうです。