武田耕雲斎、藤田小四郎を将とした天狗党は、水戸の流れを汲む慶喜を信頼し京へ向かいますが、慶喜は守衛総督として都を守るために天狗党討伐の勅許を得ます。
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そのネジは、小栗がかつて遣米使節団に加わり渡米した折に、近代化された工場の進歩に驚愕して記念に持ち帰っていたものでした。彼も軍事だけでなく財政や経済こそが重要だといち早く気づいていました。ネジは国を富ます工業化のシンボルだったのです。
悲惨な最期を迎えた天狗党の壊滅は栄一と喜作には衝撃的なものでした。喜作は「これが俺たちが信じた攘夷のなれの果てだ。・・・もう攘夷などどうでもいい。この先は殿を、一橋を守るために生きる。おめぇはどうする?」
生前の平岡円四郎の「優秀な家臣や兵を増やすことが重要だとは常々思っている。しかし金がねえ・・・」が栄一の頭をよぎり、栄一はそこに答えを見つけます。
先ずは薩摩や公儀に侮られない歩兵隊を作る、それを備中の一橋領から募ることを慶喜に提言します。ここに「軍政御用掛歩兵取立御用掛」の栄一の誕生です。
この計画に対して、備中の代官らの邪魔を見抜いた栄一は、焦らずその地にじっくり腰を落ち着けて地元にとけ込むことから始めました。
近在を動き回り、町道場をめぐり、興譲館を訪れて攘夷と開国の論争をするなど充実した時間を持ちました。それが200人の歩兵を連れて帰る好結果に繋がったのでした。
慶喜に褒美を賜った栄一は、そこで更に理財の面に提言をします。備中で集めた情報の中のから「米、木綿、硝石」の取扱い方を変えることで一橋の財力を強めるというのです。幕府からのお金に頼るのでなく、行動するためには経済力の裏付けが必要なことは慶喜も感じていました。
栄一は「壊れかけた日の本を救うのは一橋しかいない。一橋家の懐を豊かにし、その土台を頑丈にする。軍事よりもその様な能力はおのれの長所でございます。」という提言をしました。それが受け入れられ、栄一は一橋家を豊かにする為に動き出したのです。
この日印象にのこったシーンは、小栗忠順(上野介)が懐からおもむろに取り出したネジをひとり悦に入って眺めるシーンでした。
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そのネジは、小栗がかつて遣米使節団に加わり渡米した折に、近代化された工場の進歩に驚愕して記念に持ち帰っていたものでした。彼も軍事だけでなく財政や経済こそが重要だといち早く気づいていました。ネジは国を富ます工業化のシンボルだったのです。
次回は、いよいよ経済へ踏み込んでいく栄一の活躍が見られそうです。城山三郎『雄気堂々』を原作にしているのでは、と思うほど内容が同じように進むので、ドラマがよく理解できます。