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<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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私は生まれも育ちも大阪の大阪人なので、当然のことながら京都にも友人が多い。
京都へ行った回数も数え切れないが、観光で行ったことは数回しか無く、"るるぶ"に書かれているようなスポットを訪れたり、グルメを楽しんだりすることは皆目ない。
いわゆる灯台下暗しなのだ。
従って「おばんざい」なんて食べたことはなく、だいたい「おばんざい」とは何なのか、まったく知らなかったのだ。
尤も、知らない間に食べていたことも考えられ、

「あんた、アホかいな」

と指摘される可能性があるが、それはそれ。

実は先日、京都四条河原町の小料理屋さんで、「おばんざい」なるものを食べる機会を得た。
私の会社の京都の事務所はいっちょ前に四条河原町にあるのだが、いつもはコンビニ弁当かすき家の牛丼、王将の定食を食べているにも関わらず、この日は夜みんなで、河原町通を少し西入ったところにある小料理屋を訪れたのであった。
これには費用の一部は会社負担というラッキーな背景があった。

で、ここで「おばんざいです」と何やら食べ物を出されたのだ。

「おばんざい? これがか.....」

と、初めて見るおばんざいを見て失望をしていた。

「これのどの部分がおばんざい?」

と訊ねそうになったのであった。
かなり恥ずかしい質問のようだが、事実なので告白しておきたい。
それは3つの小鉢にお惣菜がチョビっとづつ入れられた「見栄えは非常に良好だが量が極めて少ない」京都らしい食べ物なのであった。

私は今でもどちらかというとガッツリ食べたい系のオッサンで、ちびちびした食べ物よりも、どどどど、と出てくる食べ物がいいのだ。
小料理屋も京都よりも大阪のほうが断然いいように思う。
初めて見た「おばんざい」は量の上では幕の内弁当のオカズだけを小鉢に入れて「どんなもんじゃい」と言われているようで、いたって不満足なのであった。

もしかすると中居のおばちゃんが、
「おばんざいどす」
と言わずに、
「おばんざいです」
と言ったのには、もしかすると大阪者と侮り故意に京都弁を話さなかったのかも知れず、そういう大阪者に繊細な京料理を出すよりも幕の内弁当のオカズでも出しとけとばかりに、京都人独特の中央意識のもとに扱われたのではないか、とも思ったのだ。

しかし周囲の人達の話によると、これはなかなかのおばんざいで、京都らしい良質のものなのだと説明され、無理やり納得したのであった。

ただはっきりしたのは「おばんざい」というのは「Oh!万歳」でも「田舎者向けの京都土産」でもないということだった。
私はこのおばんざいをチビリチビリやりながら、「おいしいな」と思いながらも「しかし、食べながらもハラ減ったな」と京都を噛み締めたのは言うまでもない。

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