最近の映画といえば、CG、3D、立体音響というのが主体となってしまい、肝心の映画そのものがとっても詰まらないものになっているような気がしてならなかった。
「普通の映画を見たい」
そういう映画ファンとしての基礎的欲求を満たしたくて仕方なかったのだ。
ということで、「これは普通の映画」と値踏みして出かけたのはトム・ハンクスとジュリア・ロバーツが主演している「幸せの教室」。
高卒であることを理由にリストラされてしまった男と、生活に限界を見ている大学講師とを中心にした人間模様を描いているライトなドラマだ。
そもそも、この種の映画は見る前からだいたいストーリーが分かっているようなものだが、実際に鑑賞してみると予想通りのストーリー展開で期待を裏切らなかった。
まるでラブストーリー系水戸黄門のような映画なのであった。
しかしながら、期待を裏切らなかっただけに、映画のクチコミサイトに書かれていた5つ星満点でこの映画が3星採点だったことがよくわかった。
同時になぜトム・ハンクスの相手役がメグ・ライアンではなく、ジュリア・ロバーツだったのか。
メグ・ライアンならもうちょっと高い点数が付いたことだろうに、とも思うのであった。
世間の採点は辛口だが、私としてもこの映画3星採点が似合いだと思う。
というのも、映画そのものは不快感なものでは無く、軽い気分で見るのみピッタリの映画なのだ。
失業者を主人公に置いた映画だが、失業している人が見ても不快に思うことが無いと思う。
が、物語に捻りが足りないことや、厳しさがいまいち無いことを考えわせると、繰り返し見たい映画ではない。
繰り返し見たからといって何か新しいものを発見できるような映画とは思えないのだ。
この映画で最も印象にのこったは、実はトム・ハンクスでもジュリア・ロバーツでもなかった。
ストーリーでさえなかった。
経済学の教授役で登場するジョージ・タケイが最も印象に残るキャラクターなのであった。
「私と一緒に、笑いましょう。さあ、は。は、は、あはははははは」
という少々変人だが、アメリカ人の見る日本人独特の厳しさが変におかしく、強烈である。
「中国系の俳優さんやろけど、面白かった」
と、何も知らない私の嫁さんも満足気。
「ジョージ・タケイは日系二世や。日本語も堪能やで」
というとビックリ。
さらにスタートレックの人気俳優であったことも知らなかったようだ。
もし知っていたとしても、テレビの吹き替えは富山敬だったので、あのタケイの独特の低音の声音はなかなか想像できるものではなかっただろう。
ということで、料金の価値はある映画なのであった。
なお、以前から私は何故ジュリア・ロバーツが美人女優に分類されているのか理解できないでいる。
これは悪口ではない。
率直な私の感想だ。
実は私はこの人を見るたびに、どうしても往年の漫才師・海原大浜(背の高い方)を思い出してしまい、美人と認めることがなかなかできないのだ。
これは、お笑いファンの性なのであろうか。
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