<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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タイへ行くとそこここにある飲食系の屋台でインスタントラーメンを調理して販売していることころがある。
何も特別なラーメンではなく一般のスーパーマーケットで販売しているような普通のインスタントラーメンだ。
注文すると袋を破き鍋で調理し、多少の具を入れてくれて「ハイ出来上がり」と出してくれるのが、私は同じ屋台ならせっかくバンコクに来ているのだからクイッティオ屋で美味しくて安いタイヌードルを食べることにしている。

このインスタントヌードルの調理屋台はタイだけではなくミャンマーの屋台でもあったりして、「食べ物が限界だ~」というときに結構重宝することがある。

先日、このインスタントラーメンを調理してくれる屋台ではなくお店が日本でも発見してビックリした。
それも東京の渋谷で。
しかもJR山手線のプラットホームで。

その日私は新宿での打合せが終わって知人が作品を展示している表参道近くの画廊に立ち寄ろうと渋谷駅で山手線を下車しようとした。
電車がホームに滑り込み、ドアが開こうとしたまさにその時、ガラス窓の向こう、ホームの奥に
「ラ王屋」
なる看板を発見した。
入り口で店員が大声で客寄せをしている。
こんなラーメン屋はなかなかない。
塩ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメン各250円、
これは安い。

ここは立派な店構えの日清食品のアンテナレストランなのであった。
日清のインスタントラーメン「ラ王」を食べさせる店なのであった。
実を言うと、私は渋谷に来る直前に新宿駅前でランチを食べており、空腹は十分に満たされていた。
ところがインスタントラーメンのアンテナショップとばかりに、どうしても食べたくなってしまい店に入って醤油ラーメンを注文してしまったのだった。

店は意外に繁盛していた。
入ってすぐのところにカウンターが有り注文する。
カウンターの奥ではラ王を調理する3個の片手鍋がレンジに置かれており、ぐつぐつをラーメンが作られていた。
価格も250円なので立ち食い蕎麦なみの価格だ。
インスタントラーメンということを忘れると、実にリーズナブルで価格対価値は十分のものになっていた。
私は片手鍋3人めという幸運なタイミングで発注できたのでよかったが、私の後から入ってきた人は、

「すいません。5分ほどおまちいただきますがいいですか?」
とか、
「10分ほどお待ちいただきますけど、いいですか」
と超人気ラーメン店も羨む盛況ぶり。
インスタントラーメン恐るべしなのであった。

で、運ばれてきたラ王を見て再度驚くことになった。
なんと、普通のラーメンと何ら変わるところはないではないか。



その見応えと、意外な美味さに私は下手に出汁に凝った不味いラーメン店よりもインスタントラーメンで楽しむラーメンのほうが人生に豊かさをもたらすことに感動を覚えていたのであった。

なお、情報によると、その昔大阪の阪急梅田駅にはエースコックのワンタンメンのアンテナショップが出たことがあったそうな。

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