<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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先日、仙台へ向かおうと大阪空港で飛行機の出発を待っていると、テレビで朝の情報番組が放送されていて、
「兵庫県西宮市の埋立地に猪出現」
という話題が取り上げられていた。

「西宮の埋立地? もしかして、鳴尾浜? 鳴尾浜やったら阪神タイガースの鳴尾浜球場があるやないかい。猪は縦縞やなくて横縞やが、縞柄繋がりかな?」

と詰まらないことを考えていた。
尤も、あのあたりに猪が出現してもおかしくはない。
随分以前になるけれども、阪急電車六甲駅近くの住宅地に「のら猪」が出るので調査してください、というのが朝日放送の探偵ナイトスクープで放送されたことがあり、六甲で猪がでるくらいなので、西宮でも不思議ではない。

そんなこんなでヒコーキに搭乗し仙台へ降りて、向かったのは東北大学青葉山キャンパス。
久しぶりに訪れた仙台はそこそこ暖かかった。
前回訪れた昨年春の大雪はその面影もあるはずもなかった。

仙台駅でうち支店から来る向かいを待つため、まずは立ち食い蕎麦を探さねばならなかった。
というのも、大阪空港を始発便に搭乗したので、朝自宅をでたのが5時。
仙台空港から仙台駅に至るまで、何も食べずにやってきていたので非常に腹が空いていたのだ。
「そうや、仙台駅の改札近くに立ち食いそば屋があったから、そこでゲソの天ぷら入りの蕎麦でも食うか」
と思っていたのだ。

ところが、仙台駅に着いてみると大変な事態になっていることがわかった。
その立ち食いそば屋が姿を消していたのだった。
仙台駅はなんだか大規模工事を実施中で、駅の改札すぐにあったそば屋が撤去され、全面真っ白で殺風景な工事の仮説壁に変わってしまっていたのだった。

これは大変だ。
そば屋が消えている。
と私はしばし佇んだのであったが、そんなことをしている場合ではなかった。
なんといっても腹が空いているので、何かを食べなければ、仕事をするパワーがでない。
かといって朝から牛タン定食も重たい。
で、どうしてもそば屋はないかと駅構内を探しまわることになった。
ここ東北地方では秋田県を除いてうどんよりも蕎麦なのだ。

2階、3階と探しまわったが手頃なそば屋は見当たらない。
1階に降りると、スタバやシュークリーム屋、それにずんだ茶寮なんかが並んでいたのだったが、朝ごはんにずんだ餅は、これまた重い。
スタバでのんびりコーヒーとシュガードーナッツというわけにも行かない。
そうこうしているうちに会社の迎えが到着しそうになったとき、土産物屋の横の片隅で営業していた立ち食いそば屋を見つけたのであった。

急いで食べきり自動車に乗り込んで青葉山に向かったのだが、あわてて蕎麦を食ったために若干胃もたれがしていた。
「う~悪いけど、ちょっとだけリクライニング倒すね」
とぐで~と背もたれにもたれかかった時に、山登りの渋滞に差し掛かったのだった。
自動車は停車。
「も~かなわんな~」
と言いかけたところに、車道を外れた山道(多分、東北大への通学路)の通行止めの看板を見かけたのであった。
もしかすると震災の影響で通行止めなのだろうか。
あれからもうすぐ4年だが、なかなか復旧工事も進んでいないんだろうな。
と思いながら、よくよく読んでみると。

「最近、このあたりに『熊』が出没していますので『通行止』を遵守してください」

と書かれていた。

なんと、青葉山とはいえここは街中の小高い山。
ここに熊が出没とは。

朝見た西宮の猪を思い出し、都心の野生動物の多様性に感心した仙台出張なのであった。



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