賭銭無の「週末はPhoto一息」

賭ける銭無しに陥った競馬から、カメラを趣味にして6年目で退社。“週末”が“いつでも”になりましたがタイトルはそのままで。

ツバキ 「熊谷」

2009年04月15日 | 椿・サザンカ
ワッと咲く桜や他にも多くの花が咲いて印象が薄くなるせいか、椿は3月くらいまでの花と
漠然と思っていたのですが、花期が4、5月という品種も多いんですね。

横浜市のこどもの国・椿の森で3月20日頃から目についた「熊谷(くまがい)」。花期4月。
濃朱紅色の一重、平開咲きで梅芯の大輪。3倍体品種のため花も葉も大型で肉厚。

「熊谷」には雄しべの葯が弁化した唐子咲きの花形になるものがある。
しかもそれが毎年とは限らず、年によって不定に現れる謎の多い品種とのこと。
今年、椿の森で唐子咲きの花をつけた「熊谷」は少なくとも2本は確認しました。

こちらは川崎市緑化センターの「光明(こうみょう)」。
参照している「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)には「熊谷」の古名が「朝鮮椿」、別名が
「光明」とあります。緑化センターでは、光明の名札と、熊谷の名札のかかった樹がそれぞれありました。

  
熊のつながりで「熊坂(くまさか)」。桃紅色の八重~牡丹咲き、筒、散しべの大輪。
花期が4~5月で、咲き進むと弁脈が鮮明になる。
熊坂に白斑が入ったものは「花橘(はなたちばな)」として区別しているそうで、
2枚目がそんなイメージでしょうか。

八重桜

2009年04月14日 | 

ソメイヨシノはそろそろ終りですが、代わりに八重桜が見頃になってきました。

里桜(さとざくら)とか花の形から牡丹桜(ぼたんざくら)とも呼ばれ、栽培品種がたくさんあります。
  
里桜を代表する品種のひとつ「関山(カンザン)」。弁数50枚ほどで花色は濃紅色。
学名はPrunus Lannesiana cv. Sekiyama で、「セキヤマ」となっています。
  
こちらは「鬱金(ウコン)」。花弁数が15~20枚ほどで大輪の八重咲き。
花色は緑色がかった淡黄色で、数多い桜の品種の中で唯一、黄色の花を咲かせる。
ショウガ科のウコンの根を染料に用いた鬱金色が名前の由来で、混同されないよう
「鬱金桜」や「鬱金の桜」とも呼ばれる。

横浜 こどもの国

2009年04月13日 | 風景
4月12日、横浜市青葉区のこどもの国。

天皇・皇后両陛下のご成婚50周年を記念して、4月10日から12日までは中学生以下の
入園料が無料でした。
中央広場の上では、風に泳ぐ「こいのぼり」。毎年恒例の風景です。
  
タンポポの花にはツマグロヒョウモンの♀。ゆっくり回りながらも口吻はあわただしく動いていました。

2時過ぎの中央広場。竹馬やフラフープなど、懐かしい遊びも健在です。

正面陸橋手前の斜面では大道芸を観る人たち。私が行った時にはショーは終わっていました。
枝垂桜のほうもそろそろ終わりでしょうか。

シロハラ4

2009年04月12日 | 野鳥

今年の冬はほとんど撮ることのなかった渡来してきた冬鳥たち。
そんな中で唯一といえるのが町田市の薬師池公園にいたシロハラくん。
4月5日、階段を上っていたら5、6段ほど上に突然着地し、とおせんぼ。
  
なんとなくポーズを取っているような気がして何回かシャッターを。
散歩中のご夫婦が下りてきたので近くの枝へ飛び立ちましたが、
お別れのつもりで来たように思えて、なんだかジーンと…。

シロハラくんがくるちょっと前に撮っていたのが「燕返し」。
白地に紅色の縦絞りや小絞りが入る八重、筒しべの中輪。花期3~4月。
中折れした長い樋状弁の内弁は斜め上に立ち、外弁は平開して弁間が透き、
各弁が不規則に向き合う形を、燕が飛び交う姿に見立てたもの。
〔品種説明は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)から〕

4月11日に撮ったツバメ。
去るもの、来るもの、季節はどんどん巡ります。

ツバキ 「繻子重」

2009年04月11日 | 椿・サザンカ
今回も横浜市の「こどもの国」椿の森から。

「繻子重(しゅすがさね)」は濃紅色の八重、ユキ芯の中・大輪。花期4~5月。
濃紅色の花に葯の黄金色、緑色の艶葉がよく調和した品種。

やや肉厚の花弁20枚ほどが三、四重に重なる。咲き始めは樋状に中折れするが
やがてゆるやかに外曲し弁の縁は小さく波打つ。


こちらは先の「繻子重」に白斑の入った「紋繻子(もんじゅす)」。花期は同じく4~5月。

久しぶりにフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用すると、
「朱子織(しゅすおり,繻子織とも書く)は、経糸(たていと)・緯糸(よこいと)五本以上から構成される、織物組織の一つである。
経・緯どちらかの糸の浮きが非常に少なく、経糸または緯糸のみが表に表れているように見える。
密度が高く地は厚いが、斜文織よりも柔軟性に長け、光沢が強い。ただし、摩擦や引っかかりには弱い。
三原組織の一つ。」
最後の三原組織のほかの二つの織物は「平織」と「綾織」だそうです。

撮影日の4日、品種名の繻子を見て、
「♪銀杏がえしに黒繻子かけて 泣いて別れた~すみだ川♪」と東海林太郎さん風に、その後の歌詞は分からず鼻歌で。「ああそうだったわねぇ。あなたがはたち」までのセリフは島倉千代子さんのほうで…。
周りに人がいなかったから思わず口ずさんだのでしょうが、憶えているものですねぇ。

〔品種説明部は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)と「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)から〕

ツバキ 「菱唐糸」

2009年04月10日 | 椿・サザンカ
今回は中折れ花弁のツバキを。

まずは横浜市のこどもの国・椿の森から「菱唐糸(ひしからいと)」。
濃桃色の八重、唐子咲きの中輪。花期3~4月。

弁数は20枚ほどで、樋状に中折れした花弁が三、四重に重なり、咲き進むと蓮華咲きになる。
花心には白い旗弁が集まり唐子部を作る。


「津川絞(つがわしぼり)」は淡桃地に紅色の縦絞りが入る千重咲きの中輪。花期3~4月。
花形は変化しやすく、宝珠咲きになったり、見事な列弁先になるものがある。

4月4日のこどもの国の「津川絞」には、枝変わりで紅花も出ていました。


こちらは3月15日の町田市薬師池公園で撮った「美保の関(みほのせき)」。
濃紅色の一重、筒~ラッパ咲き、筒しべの小輪。花期3~4月。

花弁を縦に二つ折りしたように中折れし、弁端が尖った独特な形から、
次第に中折れがゆるんでラッパ状に広がる。
「先細りで美しく整った筒しべ」と参考書に記述された雄しべですが、
残念ながら、この写真ではその様子が見られません。

〔説明部分は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)と「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)から〕

ツバキ 「酒中花」

2009年04月09日 | 椿・サザンカ
椿にもどって、横浜市の「こどもの国」椿の森から「酒中花(しゅちゅうか)」

背丈1.5メートルくらい、細い幹が頼りなさげで、咲きそうもないなと思わせていたのが、
4月4日に1輪だけ咲いていました。

「酒中花」は白地に紅覆輪、ときに紅の縦絞りも入る牡丹咲きの中輪。
花期3~4月。江戸後期からの古品種。
白地に紅覆輪の八重~牡丹咲きというのは現在に至るまで、わが国ではこの品種だけ。

こちらは町田市薬師池公園で「王将君」の名札を掛けていたもの。
王昭君じゃないの?と調べたところ、王将という品種もありましたが、これはやっぱり
王昭君(楊貴妃・西施・貂蝉とともに古代中国四美人の一人)。
王将クンだとずいぶんイメージが違います。

「王昭君(おうしょうくん)」は淡桃地に細い白覆輪の千重咲き、中輪。花期4月。
さきの「酒中花」の枝変り。

薬師池公園からも酒のつくのを一種。
「酒天童子(しゅてんどうじ)」は朱紅色の八重~蓮華咲きの極大輪。花期2~4月。
愛媛県大洲市の如法禅寺に原木がある、伊予の名椿の一つ。

花心は変化しやすく、小さい筒しべや唐子弁、あるいはそれらが混じりあったものなどが出る。
(いい写真じゃないですが参考までに)

〔説明部分は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)と「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)から〕

あせび(馬酔木)

2009年04月08日 | 
4月5日の町田市・薬師池公園内の「萬葉草花苑」から。
  
「あせび」(あしび、馬酔木)は出かけた先々でけっこう撮っていたのに、なぜか載せていませんでした。
3月から5月くらいまでと比較的長く咲き、よく目にするからでしょうか。
白色と、アケボノアセビと呼ばれる淡紅色のものがあります。
 カタクリ
 ヒトリシズカ
昨年も「萬葉草花苑」再開当初からせっせと通いましたから、
「カタクリ」「ヒトリシズカ」とも昨年4月17日に載せています。

「斑入りのフキ」は昨年も何回か撮っていましたが、ようやくデビュー。

そして「ミツバツツジ」。昨年の4月8日はワンマンショーをやっていました。

フッキソウ(富貴草)

2009年04月07日 | 
今回は4月5日の町田市・薬師池公園から。

タイコ橋からコイや水鳥にエサをあげるのはいつもの光景ですが、桜が見頃と
いうことで、いつもの日曜よりは、はるかに多くの人たちがきていました。

少し角度を変えて遠景を。右には水鳥たちのための浮島、その後方は藤棚。

池の周回道路の横では「キブシ(木五倍子)」も満開。
雌雄異株の落葉低木で、花の様子が似ていることから「キフジ(黄藤)」とも。
雄花の方は、葉が展開し始めると少しさわるだけで花穂ごと落ちてしまうそうで、まもなくでしょうか。
  
4月になって公園内の「萬葉草花苑」も再開されました。
「フッキソウ(富貴草)」は別名がキチジョウソウ(吉祥草)。花言葉は「よき門出」。
復帰との語呂合せで苑内からの本年掲載第1号にしましたが、名前の由来は冬も枯れることなく
よく繁茂することから。ビル周辺の緑化にもよく使われているそうです。
(フッキソウについては、日本文芸社の「季節の野草・山草図鑑」を参照)

こどもの国 桜

2009年04月06日 | 
4月4日、横浜市青葉区の「こどもの国」。

スケート場前から入口方向を見て、中央広場左側のシダレザクラ。

中央広場右側には家族連れやグループでにぎわう自由広場が広がっています。
手前にある色の濃いのも「ヨコハマヒザクラ」でしょうか。
  
スケート場の横を通って「椿の森」へはこどもの国での私の定番ルート。
温室を過ぎたところで目を見張ったのが赤くなった「ミツマタ」。
前回来た時はこんなふうに変身する様子はなかったのですが…。
どうやら「アカバナミツマタ」という園芸品種だったようですね。

ヨコハマヒザクラ

2009年04月05日 | 
4月4日の横浜市青葉区「こどもの国」。
  
入園して左側、ミニSLの線路脇で「ヨコハマヒザクラ(横浜緋桜)」が満開。

梅、椿、桜など、花の咲く樹にヒヨドリありで、ここでも5羽が枝から枝へ。

花はいっぱい咲いているんだから、こんな窮屈な格好しなくても…と思うのですがね。

実は、写真を撮っている時は品種名を知らなかったので、帰ってから調べました。
「ヨコハマヒザクラ」はケンロクエンクマガイ(兼六園熊谷)とカンヒザクラ(寒緋桜)を
交配して作出した栽培品種で、花弁が5枚の一重咲き。
花色は赤みが濃く、ご覧のように鮮やかな品種です。
作出者は横浜市の白井勲氏で、昭和60年に品種登録。

ツバキ 「わだつみ」

2009年04月04日 | 椿・サザンカ
今回はひらがな名のツバキです。

「ささやき」は白色の、八重~蓮華咲き、雄しべの少ない中輪。

「おはじき」は紅色で八重~千重咲きの小~中輪。
1輪だけ咲いていたのを枝と葉の間から何とか撮ってみました。

「わだつみ」は濃紅色の牡丹~獅子咲き、中輪。花期10~4月。
35枚を超える花弁がお互い波動、混じりあい、その間に雄しべを散在させている。
以上の3種は町田市の薬師池公園で撮影。


「やつお」は白色の一重、平開咲き、ユキ芯の小輪。花期4~5月。
富山県八尾町産の野生ユキツバキ白花からの選抜種。
清純ながら素朴な、人の手のかからない自然のままのユキツバキらしい白花。
こちらは横浜市の「こどもの国」で撮影。

〔「わだつみ」と「やつお」の説明は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)を参照〕

ツバキ 「黒部」

2009年04月03日 | 椿・サザンカ
3月20日と、ちょっと前の横浜市青葉区にある「こどもの国」椿の森から2種。

まずは「黒部(くろべ)」。
淡桃地に紅色の縦絞り~吹掛け絞りが入る牡丹咲き、散しべの中輪。花期4月。

咲き始めに花心に宝珠を作るのが特徴で、花形は多様。
撮った中では咲き始めに近いのを選んだのですが宝珠はすでに開いたあとのようです。


こちらはたぶん「富山紅牡丹」。「黒部」は椿の森のA地区に本数が多く、この地区の最上部には
「この一帯は富山紅牡丹です」というプレートがあり、その近くで咲いていたのを撮ってきたもの。

何本かの樹のてっぺんあたりにもいくつか咲いていましたが、撮れそうなところにあるのは
ここの数輪だけ。しかも、いつも参照する2冊とも「富山紅牡丹」については記載がありません。
WEB検索で1件だけヒットした写真も、おそらく「こどもの国」で撮影したものでしょうね。
あまり知られていない品種のようです。

〔黒部に関しては「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)と「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)を参照〕


ツバキ 「南蛮星」

2009年04月02日 | 椿・サザンカ
今回もツバキで、名前に「南蛮」のつく2種。

「南蛮星(なんばんぼし)」は紅地に白斑の入る八重~千重咲きの小輪。花期3~4月。

先端が丸みを帯びた小さな花弁が腰高に幾重にも盛り上がった花形が、南蛮渡来のものかと
思われるほど珍しく、古くから愛好されてきた江戸古典品種。雄しべは退化して貧弱。


もう一種の「南蛮紅(なんばんこう)」は濃朱紅色の獅子咲き、大輪。花期3~4月。

5~6枚の外弁が作る底皿の上に、大小不揃いの旗弁が入り混じった
唐子部が団塊をなして高く盛り上がり、獅子咲きとなる。
九州各地に古木が多い在来種で、珍しい花形と色が異国情緒を漂わせる。


で、突然出した「蝶千鳥(ちょうちどり)」。
昨年3月に載せた写真が違う品種のものでした。そちらを削除しての再登場です。
「蝶千鳥」は白色の一重、ラッパ咲きで筒しべの中輪。花期は3~4月。
樋状に中折れした細長い花弁はゆるく反曲し先端は尖ってみえる。
はなやかな八重咲き品種が圧倒的に多い江戸椿の中で、当時の目録に一重では
唯一記載された江戸期からの名品。

〔説明部分は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)と「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)から〕

ツバキ 「オランダ紅」

2009年04月01日 | 椿・サザンカ
ツバキに戻って、絞りの花を3種。
  
「オランダ紅(おらんだこう)」。
紅地にに白筋の入る千重咲き、小~中輪。花期4月。
弁の縁が左右から内曲して、弁端が剣弁状に尖り、これが規則正しく重なる珍種。江戸中期からの古典品種。

「花見笠(はなみがさ)」は白地に紅色と濃紅色の縦絞りや小絞りが入る千重咲きの中輪。
30枚を超える花弁が厚く重なる。外弁は外曲し、内にいくに従って小型になり、
中心部では立ち上がり抱き合うが、雄しべはほとんど認められない。花期4~5月。

「春の台(はるのうてな)」。
白・淡桃地に紅色の縦絞りや小絞りが入る八重、蓮華咲き、筒しべの大輪。花期4月。
17~18枚の樋状の刳り形弁が三重ほどに重なり、咲き始めは内外弁とも斜め上方に
離れて立ち、後に外弁は平開し、弁間に透き間ができて蓮華咲きになる。
台(うてな)は仏像の台座(蓮台)のことで、見事な蓮華咲きを蓮台に見立てたもの。
(残念ながら、この写真では記述された状況がちょっとわからないですね)

〔説明部分は「新装版 日本の椿花」(淡交社・刊)と「色分け花図鑑 椿」(学習研究社・刊)から〕